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2019年3月21日 (木)

学力テストの成績を先生の評価や学校予算に反映させる大阪市の方針に反対します

 この問題、市民一人ひとりが自分のことばで意見を言うことが大切だと思うので、私なりの意見を書いてみます。

ほかの市と順位を競うという発想がまちがっている

 子どもたちの学力を伸ばすことは大切だと思います。

 しかし、今回の方針は、そもそもの、全国学力テストの結果が政令指定都市で最下位だったから、そこから脱出しようという発想からまちがっています。

 だって、学力は子どもたち一人ひとりのものでしょう。大阪市全体の順位を上げるために、子どもたちががんばらないといけないなんて、おかしいじゃないですか。

 ほかの市と順位を競うという発想がまちがってるんです。次回、もし大阪市の順位が上がったとして、今度最下位になった別の市は、また最下位脱出のためにがんばるんですか。こんなの、どこまでいっても終わらないじゃないですか。

 今回の方針では「各学校に自校の偏差値を前年度から何ポイント上げるか目標設定させ」る(毎日新聞2019年1月29日付)そうですが、これ、学校に目標設定させると言っていますが、テストを受けるのは子どもたちですから、子どもたちに目標設定させるのと同じことですよね。

 子どもたちが学ぶ楽しさやわかる喜びを知って、その結果、偏差値が上がるのならともかく、先にこんな企業の営業ノルマみたいなのを課されて、それで楽しく勉強できるとは思えません。

テストで点数をとる力ばかり伸ばしてどうするのか


 そして、貧しいなぁと思うのは、今回の方針の中で言われている学力とは、結局、全国学力テストや大阪市の学力経年調査や大阪府のチャレンジテストで点数をとる力でしかないんですよね。

 学力って、もっと幅広く多様なものでしょう。

 大阪のまちづくりということを考えても、テストで点数をとる力ばかり伸ばして、どうするのかと思います。

 点数をとる人とともに、点数はとれなくても商売がうまいとか、点数はとれなくてもモノづくりが得意とか、点数はとれなくても人の気持ちに寄り添えるとか、点数はとれなくてもその人がいるだけで雰囲気が明るくなるとか、そんないろんな人たちがいてこそ、そのまちは強く豊かになるのではないでしょうか。

点数をものさしにして子どもを格付けするもの


 私が声を大にして言いたいのは、この問題は、子どもを主体にして考えないといけないということです。

 なぜなら、テストを受けて結果を出すことを求められているのは、市長でも、教育委員会でも、学校の先生でもなく、いま小・中学校で学んでいる児童・生徒たちですから。当事者は子どもたちです。

 当事者の子どもたちの側に立って今回の方針をみたとき、これは、先生や学校を査定すると言いながら、実は、子どもを査定するものなのだと気づきます。

 子どもにテストの点数をとらせたということだけで、その先生は価値が高いとして高評価をつけ、給料を上げる。テストの点数をとらせたということだけで、その学校は価値が高いとして予算を多く配分する。それはすなわち、点数をとる子どもは価値が高くて、点数をとらない子どもは価値が低いと言っているのと同じです。

 すべての子どもが等しく尊重されるべき学校教育において、こんなことはあってはならないでしょう。テストの点数をものさしにして子どもたちを格付けするのだと、行政のトップと教育委員会が堂々と宣言していることを、私はおそろしいと思います。

多様性のある社会を生きていくために必要な「学力」とは

 大阪市の小・中学校では、“最重度“といわれる子どもも含めて、さまざまな障害のある子どもたちが学んでいます。そのなかには、どれだけがんばっても、全国学力テストや大阪市の学力経年調査や大阪府のチャレンジテストで点数をとれない子どもたちがいます。そもそも、テストの対象から外されている場合もあります。

 そうした「点数をとらない」子どもたちを含んだ教育は価値が低いというのでしょうか。いや、そんなことはないはずです。

 障害のある子どもとその周りの子どもたちは、いっしょに過ごすなかで、人それぞれのちがいをあたりまえに認め合えばいいということや、コミュニケーションの方法はことばで話すだけでなく多様であることや、おたがいに「できない」ことがあっても助け合えばともに豊かに生きていけることなどを、身をもって学んでいます。

 こうした学びこそが、テストの点数にはつながらなくても、これからの多様性のある社会を生きていくために必要な「学力」なのだと思います。

 しかし、大阪市の今回の方針では、テストで点数をとることがいちばん価値のあることで、こうした学びは二の次でよいとしていることになります。それは教育の大切な部分を失わせてしまうのではないでしょうか。

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