お役所の障害者雇用の状況は?(その2)~知的障害者の雇用は「東高西低」
(その1)から続きます。
北摂4市1町に対する、障害者雇用の状況についての公開質問とその回答。
「庁内実習制度の有無と、受け入れている場合の内容は?」という質問には、茨木市と摂津市が、実習制度があると回答しています。
茨木市:「庁内実習制度の実施をしております。障害者の市役所及び市の施設内の職場における実習の機会を提供することにより、障害者の就労に対する意欲を高め、もって障害者の自立及び社会参加並びに一般就労への移行を促進するとともに、公務労働における障害者の職域の開発に寄与することを目的としております」
摂津市:「平成23年度は障害福祉課において1日2名を4日間受け入れ、3時間程度の軽作業を行ってもらいました」
この日の参加者のお話では、茨木市の庁内実習は、障害者団体が10年間にわたって働きかけてきた結果、実現したものだそうです。2010年1月からスタートし、2011年3月までの間に、知的障害者91人、精神障害者11人、身体障害者1人が、市の29の課と4つの機関で実習に従事。仕事内容は、パンフの発送などの軽作業、パソコンのデータ入力、清掃作業などです。
この実習のことは、「広報いばらき」2011年9月号で下記のように紹介されています。
http://www.city.ibaraki.osaka.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/7/ibaraki1109_08-10.pdf
庁内実習を行った結果、これまで障害者とあまり接したことがなかった市職員から、「障害者の具体的なイメージがわかるようになった」「障害者との出会いが新鮮な機会になった」など、好意的な声があがっているとのこと。まず、障害者に対する理解を進めるために、こうした実習を他の自治体にも広げていきたいという意見が出ました。
しかし、(その1)で書いたように、その茨木市で、知的障害者と精神障害者の雇用は、いまのところゼロ。実際の雇用にいかにつなげていくかが、今後の大きな課題です。
現在、地方自治体での知的障害者の雇用は、どのくらい進んでいるのでしょうか? 「横浜市役所における知的障害者雇用レポート2」という冊子(2009年3月、横浜市健康福祉局発行)に、全国の状況が下記のようにまとめられています。
これを見ると、関西で挙がっているのは滋賀県のみで、ほとんどが関東の自治体。お役所の知的障害者の雇用状況は「東高西低」といえそうです。
インターネットで調べてみて、私はこの中で、横浜市と千葉県の実践に興味をひかれました。次回は、この2つの自治体の取り組みを紹介したいと思います。
(この記事、次回に続く)
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