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2012年10月 8日 (月)

「障害者差別禁止法」に関してパブリックコメント実施中! しめきり11/5(月)

「障害者差別禁止法」(障害を理由とする差別を禁止する法制)の法案化にあたって、内閣府がパブリックコメント(意見公募)を実施中です。

しめきりは11月5日(月)。障害当事者と保護者のみなさん、「ともに学ぶ」教育に取り組んできたみなさん、自分たちの体験に根ざして、「こんなん差別や!」と思う事例や、禁止してほしいことについて、どんどん意見を出しましょう。

(以下、内閣府のホームページから転載)http://www8.cao.go.jp:80/shougai/sabekin_iken.html

障害を理由とする差別を禁止する法制に関する意見募集について

内閣府障害者施策担当

1.意見募集の目的

 障害を理由とする差別の禁止に関する法制については、「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」(平成22年6月29日閣議決定)において、「平成25年常会への法案提出を目指す」とされたことを受け、平成22年11月より障がい者制度改革推進会議(本年7月からは障害者政策委員会)の下に置かれた差別禁止部会において有識者等に御議論をいただき、本年9月、「『障害を理由とする差別の禁止に関する法制』についての差別禁止部会の意見」(以下「部会意見」という。)が取りまとめられました。
 今後、部会意見に示された考え方を尊重しつつ、更に幅広い国民の皆様の御意見を踏まえて法案化作業を進めるため、障害を理由とする差別を禁止する法制に関して、国民の皆様からの御意見を募集いたします。

2.募集する意見

障害を理由とする差別を禁止する法制について

※意見募集に当たっての参考資料
・「障害を理由とする差別の禁止に関する法制」についての差別禁止部会の意見(るびなし)
 
1/3(PDF形式:480KB)2/3(PDF形式:508KB)3/3(PDF形式:434KB)
「障害を理由とする差別の禁止に関する法制」についての差別禁止部会の意見(るびなし)【概要】(PDF形式:390KB) 

3.意見募集期間

平成24年10月5日(金)から平成24年11月5日(月)まで

4.意見提出要領

御意見は、郵送、FAXまたは送信用フォームでお送り下さい。
御意見には、氏名または団体名(団体の場合は担当者名も記入)、性別、職業、住所、電話番号を御記入下さい。これらは、必要に応じて、御意見のより具体的な内容を確認させていただく場合などのために記入をお願いするものです。

※ 個別の回答はいたしません。
※ いただいた御意見は、個人情報を除き公表する場合がありますので、あらかじめ御承知おき下さい。
※ 御意見は日本語でお願いいたします。

5.意見提出先

内閣府障害者施策担当 あて

[インターネット上の意見募集フォーム] 送信用フォームはこちら (締切日必着)
[郵送] 〒100-8970 東京都千代田区霞が関3-1-1 中央合同庁舎4号館 (締切日当日消印有効)
[FAX] 03-3581-1495 (締切日必着)

6.注意事項

〇提出いただく意見は、日本語に限ります。
〇御意見を提出する場合は、以下のとおり記載をお願いします。(様式任意)
  ・タイトル:障害を理由とする差別を禁止する法制に関する意見
  ・氏名(法人の場合は、法人名及び連絡担当者名)
  ・意見(理由も含め1,000文字以内)
  ・年齢
  ・性別
  ・所属等
〇郵送の場合、封筒表面に「障害を理由とする差別を禁止する法制に関する意見」と朱書きしてください。
〇御意見に対し、個別の回答は行いません。
〇御意見については、提出者の氏名や住所等、個人を特定できる情報を除き、公表させていただく場合がありますので、あらかじめ御了承ください。
〇個人情報の保護については、適正な管理を行うとともに、他の用途には使用しません。

(転載終わり)

パブリックコメントの参考資料として、障害者政策委員会・差別禁止部会がとりまとめた意見から、教育に関する部分について抜粋して紹介しておきます(堅くて長い文章ですが、私もじっくり読んでみたかったので…)。http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/seisaku_iinkai/pdf/bukai_iken1-2.pdf

(以下、転載)

第5節 教育

第1、はじめに

1、教育における差別の禁止

 障害者権利条約は「教育についての障害者の権利を認める。締約国は、この権利を差別なしに、かつ、機会の均等を基礎として実現するため、あらゆる段階のインクルーシブ教育制度及び生涯学習を確保する(第24条第1項)」としている *1 。

 このように教育について、条約上「この権利を差別なしに、かつ、機会の均等を基礎として実現する」ためにインクルーシブ教育制度が確保されなければならないとしており、教育の分野において差別が禁止されることが前提とされていることに留意しなければならない。

2、一般教育制度からの排除等の禁止

 その前提に立って、同条2項は、次のことを確保するとして、

1)一般教育制度 *2 から排除されないこと、
2)自己の生活する地域社会において、初等教育の機会及び中等教育の機会を与えられること、
3)合理的配慮が提供されること、
4)必要な支援を一般教育制度の下で受けること、
5)完全なインクルージョンという目標に合致する効果的で個別化された支援措置がとられること

 の5項目をインクルーシブ教育制度の在り方として規定し、さらに同条3項は、障害者が地域社会の構成員として教育に完全かつ平等に参加することを容易にするため、最も適切な言語、コミュニケーションの形態及び手段による盲人、ろう者又は盲ろう者に対する教育等を締約国が確保するとしている。

第2、分離・排除から統合教育へ、そしてインクルーシブ教育

1、統合教育

 障害者の統合教育に向けた先駆的な法制度として、アメリカの全障害児教育法(現在は、障害をもつ個人の教育法 The Individuals with Disabilities Education Improvement Act of 2004)を挙げることができる。この中には、

 「公立や私立の教育機関、その他介護施設にいる障害のある子どもたちを含めて、障害のある子どもたちが、最大限適切であるように、障害のない子どもたちと一緒に教育される。特殊学級、分離による学校教育、又はその他通常の教育環境から障害のある子どもたちを移動することは、追加される援助やサービスの利用をもってしても、子どものその障害の性質や程度によって、教育目的を達成しえない場合に限定される(20USC§1412)」

という規定が設けられている。

 ここでは、限りなく統合された環境での教育が求められたので、統合教育という言葉で象徴されるが、世界の教育界では次第に障害者だけではなく、万人のための教育という視点から、インクルーシブ教育という考え方に発展していった。

2、ユネスコ「サラマンカ宣言」

 インクルーシブ教育という考え方を、初めて、国際的に認知したユネスコの「サラマンカ宣言」(1994年)では、通常学級以外に就学する場合の要件として、

 「特殊学校-もしくは学校内に常設の特殊学級やセクション-に子どもを措置することは、通常の学級内での教育では子どもの教育的ニーズや社会的ニーズに応ずることができない、もしくは、子どもの福祉や他の子どもたちの福祉にとってそれが必要であることが明白に示されている、まれなケースだけに勧められる、例外であるべきである」 *3

ことが示されている。

3、インクルーシブ教育

 障害者権利条約にあるインクルーシブ教育制度は、上記のような経過を踏まえたものであるため、特別学校における教育は原則としてインクルーシブ教育とはいえないことを前提として議論がなされた。

4、日本における原則分離の教育

 一方、我が国は、障害の種類と程度によって定められた基準に該当する場合には、原則として特別支援学校に就学先を決定する仕組みになっていることから、少なくとも、先に述べた障害者権利条約第24条の第1項及び2項に抵触しているといわざるを得ない状況である。そこで、本法においても、この条約を踏まえて、この分野における不均等待遇や合理的配慮の不提供が障害に基づく差別であることを明確にして、これを禁止することが求められる。

第3、この分野において差別の禁止が求められる対象範囲

1、差別が禁止されるべき事項や場面

1)入学の拒否、条件の付与
 教育の分野においては、子どもに障害があるため地域の小学校への入学が認められず兄弟姉妹とは異なる学校に通うことになるといった事例、保護者が一日中教室に付き添わなければ入学を認めないとされた事例、他の児童生徒に介助を求めない等の確認書に捺印しなければ就学通知を出さないとされた事例等、障害のある子どもの入学を巡る事案は多数存在する。

2)授業や学校行事への参加制限
 地域の学校に入学はできたものの、障害を理由として、例えば、希望しない特別支援学級に籍を置かれたり、プールに他の児童、生徒と一緒に入れなかったり、調理実習、運動会は見学するだけであったりなど、特定の授業に参加できないとされた事例、遠足に保護者が同行しないと参加できなかったり、参加できたとしても見学コースに一緒に行けずにバスで待機しなければならないといった事例、さらには保護者の同行なしには修学旅行には連れて行ってもらえないといった事例もある。

 したがって、教育の分野において差別が禁止されるべき事項は、入学、学級編成、転学、除籍、復学、卒業に加え、授業、課外授業、学校行事への参加等、教育に関する全ての事項である。

2、差別をしてはならないとされる相手方の範囲

 教育分野において、差別をしてはならないとされる相手方としては、学校教育法第1条に定められている学校、すなわち、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校及びその設置者(同法第2条)である。また、同世代の子どもたちを対象とした保育所及びその設置者も本節における相手方となる。

 なお、教育機関ではあるが上記に該当しない設置者により設置された幼稚園、専修学校、各種学校、職業訓練校、予備校、私塾、又は教育機関には位置付けられないが同世代の子どもたちを対象とした児童館について、本法における【教育】の分野の対象とするか、【役務】の分野で対応するのか、整理が必要である。

第4、この分野で禁止が求められる不均等待遇

1、不均等待遇の禁止

 先に述べたとおり、教育の分野においては、全ての教育段階において、入学、学級編成、転学、除籍、復学、卒業に加え、授業、課外授業、学校行事への参加に関して、障害又は障害に関連した事由を理由とする区別、排除又は制限その他の異なる取扱いは、不均等待遇として禁止されるべきである。

 ただ、人生の岐路にあってその選択に責任を持てるのは、本人もしくは本人に最も身近な関係者であるので、特に入学、転学においては、本人や保護者が望む場合は不均等待遇とすべきではない。

 したがって、例えば、義務教育である小中学校への入学、転学に関する不均等待遇とは、障害者又は保護者が特別支援学校への入学を求める場合を除く、障害を理由とする入学等の拒否を意味することになる。障害者又は保護者が特別支援学校への入学を希望する場合は不均等待遇には当たらない。

2、不均等待遇を正当化する事由

 総則で述べたとおり、当該取扱いが客観的に見て、正当な目的の下に行われたものであり、かつ、その目的に照らして当該取扱いがやむを得ないとされる場合には、不均等待遇を正当化する事由があるとして、差別の例外となる。

 もっとも、教育の分野において、当該取扱いがやむを得ないといえるためには、学校及び学校設置者等が合理的配慮を尽くしても障害者の教育目的を達成しえない場合でなければならない。

 それは、先に述べた「障害をもつ個人の教育法」にあるように「追加される援助やサービスの利用をもってしても、子どものその障害の性質や程度によって、教育目的を達成しえない場合」、あるいは、サラマンカ宣言にあるように「通常の学級内での教育では子どもの教育的ニーズや社会的ニーズに応ずることができない、もしくは、子どもの福祉や他の子どもたちの福祉にとってそれが必要であることが明白に示されている」場合だけに限定されている趣旨と同じである。

第5、この分野で求められる合理的配慮とその不提供

1、合理的配慮とその不提供の禁止

 合理的配慮の不提供が差別として禁止されるものであり、過度の負担が生じる場合にはその不提供に正当化事由があるとして差別禁止の例外となることについては、総則において述べたとおりである。

2、この分野で求められる合理的配慮の内容

 合理的配慮は、その状況に応じて個別的に判断されるものではあるが、教育の分野に求められる合理的配慮としては、障害者が、授業や課外活動等の教育活動に完全に参加するために教育方法や内容を変更したり、調整したりすることが求められる。例えば

1)授業等に関して

 A)障害特性に適応した情報伝達手段を用いた授業
 B)障害特性に適応できる態様の授業
 C)障害特性に応じて利用可能な形態の教科書、教材の提供
 D)利用可能な物理的環境の提供
 E)介助等を含む必要な人員の配置
 F)その他必要な変更及び調整

 等をあげることができる。

 具体的に、A)については、点字や拡大文字による教科書及びデジタル教科書等の個々の障害に応じた教科書や教材の提供がある。また、手話での教授や手話通訳者又は要約筆記者の配置等もこれに含まれる。また、知的障害や発達障害のある児童、生徒及び学生について、B)として授業の内容をわかりやすく構造化して示すことや使いやすい教材の工夫、D)としてクラスメイトからの刺激や騒音など環境に由来する苦痛を生じることを避けるための場所的な環境の提供が求められる。

2)入学試験・定期試験に関して

 高校、大学又は大学院等への入学は、試験により入学者が決定されることになるが、試験においては、試験の方法等が障害の特性に配慮されていないことにより、学力自体の適正な判定ができない場合もある。
 そこで、点字試験を行う、試験時間を延長する、筆記が難しい場合には解答欄を大きくする、パソコンで試験を受けられるようにする等、適正に学力判定ができるよう必要な合理的配慮がなされなければならない。また、これらは、定期試験においても同様である。

3)保護者への合理的配慮

 なお、教育における合理的配慮は、障害者本人に提供されるものだけではなく、保護者に障害がある場合も含むべきである。とりわけ、子どもの授業参観や学校行事に参加できないことがあれば、その子どもに対して教育的な影響があるからである。

3、合理的配慮の不提供を正当化する事由

 合理的配慮を提供することが過度の負担であると認められる場合、これを提供しないことに正当化事由があることになり、差別の例外に当たることになる。

 しかし、特に義務教育においては、そもそも、その条件整備はこれを提供する側の責務であること、合理的配慮がなければ、誰でも保障される義務教育の機会が十分に保障されないことに鑑みると、その例外は極めて限定的である必要がある。

 また、義務教育に関して、私立学校については私学助成として公的な助成が行われており、過度な負担であるかどうかについての判断は、これを踏まえたものであるべきである。

第6、その他の留意事項

1、合理的配慮の実現のプロセス

 合理的配慮の実現に関しては、学校設置者が、障害者又は保護者の求めに応じて、必要な変更や調整を行う義務を負うことになるが、具体的には、関係者による話し合いを経て、その内容を決定するのが妥当である。

2、内部的紛争解決の仕組み

 教育行政の現状においては、司法救済や行政不服審査制度以外の救済の仕組みがないため、障害者及び保護者と学校及び学校設置者との意見が一致しない場合、調整するための機関は設けられていない。

 意見が一致しない場合でも、継続的な信頼関係を基礎とする教育現場において、まずは、内部的な解決が望まれるが、障害者及び保護者が学校に対し対等な立場で意見を述べる事が困難であるという点に鑑みると、障害者及び保護者の立場を支援する第三者の参加を得ながら意見の調整が図られる仕組みが必要である。なお、その場合においても、第3章の紛争解決の仕組みを利用することができるものとすべきである。

3、高校進学

 高等学校への進学率が98.1%であると言われ、実態的に義務教育と同様になっていることからすると、高校における教育の機会を保障するため、定員を満たしていない高校への入学を認めるなど、障害者、特に知的障害者や発達障害者の高校進学の機会をどう確保していくかについて、地方公共団体における先行的な取組を踏まえ、必要な措置をとることが求められる。

4、通学支援

 通学時の移動支援は、学校やその設置者がなすべき合理的配慮であるのか、行政による福祉サービスであるのかについては、障害者が教育を受ける上で不可欠な支援であることから、政府において引き続き検討することが求められる。

【注】
*1 外務省の仮訳文では「inclusive education system」を「障害者を包容する教育制度」といった言葉で表現しているが、以下、ここでは「インクルーシブ教育制度」を訳語として使用する。
*2 外務省の仮訳文では「the general education system」を「教育制度一般」と訳しているが、以下、ここでは原語そのままに、特別教育制度に対する「一般教育制度」を訳語として使用する。なお、この点に関する文部科学省の「general education system(教育制度一般)の解釈について」は、
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1299375.htm参照。
*3 UNESCO. The Salamanca Statement and Framework for Action on Special Needs Education. 1994.
(独立行政法人国立特別支援教育総合研究所訳)

(転載終わり)

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