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2011年5月 5日 (木)

「できるできない」より、関係とつながり

この先生の感性、好きだなぁ…。

隔月刊誌『We』171号(発行:有限会社フェミックス)に載っていた、『つながりの家庭科─家庭科の「基礎・基本」』という文章がおもしろかったので、紹介します。

著者は、小平陽一さんといって、埼玉県立飯能高校の家庭科の先生。

小平さんは、筋ジスで人工呼吸器をつけた生徒が高校に入学してきた時、「こんな子と付き合える機会は滅多にない」と、進んで担任をもちたいと申し出たそうです。

このことだけでもユニークな先生ですが、小平さんは不敵にも、教師にとって一丁目一番地と思われる<できること>に疑問を投げかけます。

「生きる力」「自立する力」をつける教科といわれる家庭科。でも、「どうしてもできない子もいる。教師の目を盗んで、誰かにやってもらう。そんな手合いも出てくる」と。小平さんは「が、そっちの方が、案外『生きる力』が身に付いているという見方もできなくはない。できなきゃできないで工夫を凝らす、そっちの方が大切な気がしてならない」と言うのです。

この考え方は、障害のある人たちの自立生活運動における「自立」観に通じますね。

家庭科の授業では、身体がほとんど動かない筋ジスの生徒にも、実習に参加してもらいました。調理実習では、同じ班の生徒たちが調理しているのを見て、意見を出すというかたちで。被服実習では、ちょっと文章ではわかりづらいのですが、筋力が弱いその生徒なりのやり方で、糸つむぎと織りを他の生徒と同じようにやってもらったそう「できばえは? そりゃー、個性的なものができました」と、小平さんの感想。

こうした体験を通じて、小平さんは「学校でやることは、せいぜい体験やきっかけでしかない。それで十分だ。『できるできない』でカリカリするよりは、実習をしながら何気ない会話を生徒と交わす、そこに関係とつながりができればいい」と言います。

こうした発想に立てば、点数のとれない知的障害のある生徒も、高校でともに学ぶことの意味が見えてきます。そして、これが、すべての生徒が幸せに過ごせる学校のすがたなのではないでしょうか。

私なりにエッセンスをまとめて紹介しましたが、興味をもたれた方はぜひ、オリジナルの文章のすてきなことばにふれてみてください。

『We』171号は、有限会社フェミックスのホームページから買うことができます。

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コメント

大阪の友人の”かんのふみ”さんから、「僕の事が書いてあるよ」ってメールがきました。早速、合田さんのブログを見させていただきました。いやー、嬉しいですねぇ。こういう反応があると本当に嬉しいです。共感してもらえたという安心感? ありがとうございます。このところちょっと落ち込んでいた気分が吹っ飛びました。

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