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2010年7月11日 (日)

教育現場から見る橋下教育改革の現状~子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会 例会

子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会の例会の案内をいただきましたので、転載します。

今回は、『「共に学び、共に生きる」教育が軽視されている「障がい児」教育政策』も話題のひとつに挙げられています。

(以下、転載)
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会員の方はもとより、初めての方の参加も大歓迎です。
是非、参加していただき、一緒に議論を深めていきたいと思っています。

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   子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会 例会のご案内

  □日時 2010年7月31日(土) 18:00~21:00 
  □場所 天王寺区民センター 第4会議室 
         (地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽丘」下車5分)  
 
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▼例会内容 
  【1】橋下「教育改革」の新たな段階と子どもの貧困
    (1)大阪府「2010年教育長マニフェスト」をどう読むか
        (2)大阪の子どもの貧困の深刻化
        (3)教員不足が深刻な大阪の実態

  【2】クループスカヤから現在の教育を考える<3>

▼内容案内
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橋下「教育改革」の新たな段階と子どもの貧困
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 橋下府政が始まって3年。全国学力テストも3回実施。大阪府教委の「『大阪の教育力』向上プラン」も2年目に入りました。この間、大阪の教育は、「全国学力テストの結果向上」に特化した競争主義と格差拡大の教育に大きく変わってきました。
 大阪の教育現場では、「リーマンショック」以降、子どもたちの貧困はますます深刻化し、教材費を払えない子ども、病院に行けない子ども、十分な栄養がとれない子どもが増えています。政権交代によってもたらされた高校授業料無償化や子ども手当は、本当に貧困層の子どもたちを救っているのでしょうか。教職員は、研修漬けと多忙化が一層進み、全国学テの結果向上」という強い圧力のもとで、病気休職に追い込まれるケースが増えています。一端休職者が出ても、講師不足のために補充教員が来ないことも頻繁に起こっています。講師の来ない学校では、残りの教職員への精神的肉体的負担は極めて深刻なものとなっています。その結果、学級担任が空席になったり、自習が続いたりするクラスも出てきており、学校そのものが機能しないところまで来ています。
 「2010年度教育長マニフェスト」は、子どもたちや教職員の危機的実態を顧みず、「全国学テ」に向けて市町村と教員を一層競わせるだけでなく、学校組織を学テ向上を目指す「経営体」に作り替えることを狙っています。私たちは、橋下「教育改革」 が新しい段階に入り始めた現時点で、子どもと教育現場の実態をリアルに明らかにする中で徹底して批判したいと思っています。
 今回の例会では、「大阪の子どもたちの貧困」と「教員不足が深刻な大阪の実態」を中心に取り上げ、橋下「教育改革」が何をもたらそうとしているのか、現場から考えていきたいと思います。

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教育現場から見る橋下教育改革の現状
   ~2010年度教育長マニフェストは教育をどう変えようとしているのか~
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(1)2011年度大阪府独自学力テストを決定

 大阪府教委は、全国学テが悉皆調査にもどらないかぎり、独自学力テストを行うことを決定しました。小学6年の国語と算数、中学3年の国語と数学と英語で実施し、問題の作成、回収、採点、集計の全てを民間業者に委託する計画です。橋下知事の最大の眼目は、市町村別の結果を公表し、「学力向上」を競わせることにあります。
 2回の全国学力テで結果の悪かった中学校には、学力向上担当教員を配置し、学力向上方策を作成し、市町村教委に報告とチェックを日々受けることになっています。全国学テスト参加率が100%となった大阪市でも、全小中学校に全国学テの結果を踏まえた「学力向上プラン」を作成させ、その進捗状況のチェックを市教委から厳しく受けることになっています。学校の教育活動全体が、学力テストの結果向上のためにあるかのような状況が生まれています。
 教育長マニフェストでも、全国学テの「正答率」「無解答率」「家庭で30分以上学習している割合」「復習する習慣が身についている割合」などで「全国平均」をとれるかどうかどうかで、成果を検証することをはっきりと打ち出しました。

(2)進学指導特色校を中心にしたエリート教育の推進

 教育長マニフェストは、来年度開校する進学指導特色校の準備に力点をおいています。進学指導特色校の指定を受けた10校には、全府立高校に先行して「学校経営計画」を作成させ、「大学進学の実績や進路希望の達成度」を重視する「事業評価基準」作りを始めています。また、「進学指導特色校学力スタンダード」(生徒に身につけさせたい学力)の確立、「世界に通じる日本一のカリキュラム」作り、その成果を検証する「学力診断共通テスト」を準備しています。府教委は、進学指導特色校に手厚い予算をつけ府立学校の差別化を行い、新たに指定を受けたい学校にも「学力診断共通テスト」を開放し、進学指導特色校を目指す競争を煽ろうとしています。橋下知事は、「進学指導特色校にどんと予算をつけます。進学指導特色校の教員には十分な海外経験もしてもらいます。それがステータス。そのような経験がしたいのであれば、学校自体が進学特色校に選ばれるように努力するか、教員が進学特色校で勤務できるように努力してもらいます。」(知事メール2010.3.10)と、その意図を露骨に語っています。
 また、「教育成果」を踏まえて「がんばっている府立高校」への支援も打ち出しました。「教育成果」を「際だった成果(全国No1、全国Only1など)」と例示し、文化・体育的な活動においても「結果」を残すことを「支援」の条件に上げています。
 特に貧困層の集中する府立高校では、「中退」が深刻な問題となっています。「中退」は、経済状況や子どもたちの貧困、高校卒業者の内定率の悪化などと密接に関係しているにもかかわらず、それらについての具体策を語らず「中退率を平成25年度には2.0%をめざす」と数値目標だけを設定しています。これでは、「中退」に孕む本質的な問題に取り組むことなく、数あわせの取り組みになるのではないかと危惧されます。

(3)「共に学び、共に生きる」教育が軽視されている「障がい児」教育政策

 学力競争に邁進する橋下「教育改革」の中で障がいのある子どもたちの教育は、どのように考えられているのでしょうか。教育長マニフェストでは、支援学校の環境整備と就労支援が具体的課題にのぼり、成果の検証も「知的障がい支援学校卒業生の就職率向上」のみです。橋下「教育改革」が支援学校の教育をどのように変えようとして いるのか、これから慎重に検討していかなければなりません。しかし、少なくとも言えることは教育長マニフェストには、小中学校、府立高校の中で障がいのある子どもたちが「共に学び、共に生きる」ための施策が全くないことです。私たちは、「共に学び、共に生きる」教育を推進するためには、何よりもそのための教員加配が必要だと考えていますが、それは全く方針化されいません。
 私たちは、橋下知事の進める能力主義教育が、障がいのある子どもたちを分離していくことにならないか強い危惧を持っています。1960年代に全国学テを実施したとき、 全国の学校に「障がい児学級」が飛躍的に増え分離教育が拡大したこと、全国学テ成績上位の都道府県で「障がい児学級」の設置率が高くなったことを思い出さなければならないと考えています。

(4)中学校への給食完全実施を放棄し、「全国体力テスト」対策に邁進

 橋下知事が知事選の選挙公約に上げていた全中学校での給食導入は、給食法の適応を受けないスクールランチ導入に変わり、現在ではそのスクールランチの実施さえ足踏み状態になっています(2009年:府内全中学校の約23%実施)。しかも、実施している学校でも生徒の利用者が2%程度に低迷しているところも少なくありません。貧困層の子どもたちにとって学校での給食の保障は極めて重要であり、子どもたちの教育権・生存権に直結します。しかし、教育長マニフェストでは、スクールランチの現状打開策を全く示さず、それどころか子どもたちの「体力向上」に問題をすり替え、「スポーツ大会の充実」「なわとび級判定」の活用などを重視しています。大阪府は、今年度から「全国体力調査」の市町村別結果公表に踏み出し、「学力向上」だけでなく「体力向上」でも競争させようとしているのです。

(5)府立学校の「経営体」化=「学校マネジメント力」の強化

 今回の教育長マニフェストの最大の特徴が、個々の教員を「授業力向上」の名目で授業評価や研修で管理強化する段階から、学校全体の「経営体」化を目指そうとしていることです。昨年度から府立学校に「学校評価」が義務付けられ、それを軸にして「学校経営に対する点検・評価・改善システムの構築」を図ろうとしています。そのために全府立学校に数値目標を重視する「学校経営計画」の策定を強要しようとしています。
 同時に「多様な人材の校長への登用」や「若手教員からの教頭等への登用」なども打ち出し、校長・准校長の「リーダーシップの強化」を図ろうとしています。また、教職員一人一人に対しては、「評価育成システム」を強化し「新制度」へ移行することを打ち出しています。今後、「学校評価」と「学校経営計画」と「評価育成システム」が一体となって、学校全体を「経営体」に変貌させることを狙っています。 

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