話題の本

« 2010年6月 | トップページ | 2010年8月 »

2010年7月

2010年7月28日 (水)

関西インクルーシブ教育研究会の案内

 「関西インクルーシブ教育研究会」から案内をいただきましたので、掲載します。

(以下、引用)
-----------------------------------------------------------------
 この度、障害学やインクルーシブ教育に関心をもつ関西在住の研究者が集まり、「関西インクルーシブ教育研究会」という研究会を立ち上げました。既に何度か研究会も実施しています。

 この研究会では、障害児に関わる教育現象・教育現実についての社会科学的な研究の発展と振興を目指します。ここで「障害児に関わる教育現象・教育現実についての社会科学的な研究」というとき、そこには主として二つの方向をもつ研究が含まれます。一つめは、障害児の教育に関わる直接的利害関係者(親や教師や障害児当人など)の実践的な関心に応答すべく、彼(女)らが直面する〈教育問題〉の解決を目的として課題設定を行い、社会科学的な知見や技法の応用により、そうした問いへの回答を模索するという方向です。もうひとつは、教育学や社会学、人類学、経済学、政治学、歴史学など社会科学諸分野に固有の概念や方法を用いて、障害児をめぐる教育現象・教育現実の構造や機能、意味やメカニズムを明らかにするという方向です。私たちの研究会においては、社会科学的な視座とアプローチに基づきながら、この二つの方向での経験的で理論的な研究の蓄積と発展を目指します。ついては、学問的な垣根にこだわることなく、障害学やインクルーシブ教育に関心をお持ちの多くの皆様にご参集いただき、議論を深めてまいりたいと考えています。

 具体的な内容ですが、当面はイギリスで発刊されている障害学の学術誌"Disability & Society"に掲載されている教育関連の論文や、未邦訳のインクルーシブ教育に関わる文献を参加者で講読し議論していく予定です。日本では、ニューカマーや被差別部落、在日コリアンなどのマイノリティー・グループに関わる教育問題を対象として、良質な研究が多く蓄積されてきています。その一方で、障害児に関わる教育現象を社会科学的な視点から扱った文献はそれほど多くありません。他方、イギリスでは80年代前半ごろから障害学に関わる研究者を中心として障害児に関わる教育問題をトピックとする理論的で経験的な研究の蓄積が多くなされてきています。私たちがこれらの研究業績から学びうることは決して少なくないと思います。障害児のみならず、様々なマイノリティーに関わる教育問題に関心をおもちの方の参加も歓迎致します。どうかお気軽にご参加ください。

 研究会は、茨木市内の施設で一ヶ月一回のペースで行います。この研究会では毎回参加者で講読論文を決定し、それを中心に議論を行います。その際、通常の研究会で行われているように、誰かがレジュメを作ってきて、それに基づき全体で議論するというスタイルはとりません。各自が自身の理論的・実践的な関心に引き寄せつつ講読論文を事前に読み、それぞれの視点から論点をざっくばらんに提出しあうというやり方でテクストの理解を深めてまいります。ですので、参加していただける方におかれましては事前に講読予定論文を読み込み、疑問な点や興味深い点などをチェックしてきていただくことをお願い致します。

*参加を希望される方は、事前に講読予定論文をお読みになった上で、各自使い勝手の良い媒体で当該論文をご持参ください。また、ご質問などございましたら、お気軽に以下まで連絡してください。
rinokata@s9.dion.ne.jp(佐藤貴宣)

以下、次回研究会の詳細です。

第12回関西インクルーシブ教育研究会

日時:2010年8月21日14:00~17:30

場所:茨木市立男女共生センター(ローズWAM)404会議室
(会場地図:http://www.city.ibaraki.osaka.jp/kikou/wam/wam_map.html)

講読文献:
Allan, J,1996,"Foucault and special educational needs: A 'box of tools' for analysing children's experiences of mainstreaming"『Disability & Society』11(2): 219-233.
(Abstract:Research on children with special educational needs in mainstream schools, based on simplistic notions of integration, has revealed very little about the nature of their school experiences. A Foucauldian perspective is proposed as an alternative, and the relevance of his methodology, which focuses on formal and informal discourses, and his analyses (particularly of medicine, madness and discipline) is discussed. It is argued that Foucault offers a set of strategies or a 'box of tools' (1977 a, p. 205) for understanding how the discourses on special educational needs construct both the pupils' experiences in mainstream schools and their identities, as constructed subjects and objects of knowledge. The paper ends with a brief illustration, from work in progress, of what a Foucauldian analysis might look like.)

皆様の参加を心よりお待ちしています。
どうぞ宜しくお願い致します。

2010年7月26日 (月)

もっともっと普通に高校にも行きたい!!~7/24北摂「障害」のある子どもの高校進学を考える学習会

7月24日(土)、11回目を迎える<北摂「障害」のある子どもの高校進学を考える学習会>が、茨木市民総合センター(クリエイトセンター)で開催されました(主催:「障害」のある子どもの教育を考える北摂連絡会)。

前半は、大阪府教育委員会の長谷川陽一さん(支援教育課調整グループ首席指導主事)による、府立高校の知的障がい生徒自立支援コースと共生推進教室の制度の説明。 

後半は、豊能地区進路保障協議会事務局長の齋喜慶三さんによる、障害のある生徒の高校進学をすすめる運動の過程と今後の展望の話。

予想を大幅に上回る171人もの方にご参加いただき、立ち見の方や、会場に入れなかった方も多く、ご負担をおかけして申し訳ありませんでした。

堺市から参加された方からは、大阪府南部でもぜひ開催してほしいという声もあり、高校進学についての情報がいかに一般に伝わっていないかを、あらためて実感しました。

今月は7月31日(土)、大阪市内でも<大阪市「障害」のある子どもの高校進学を実現する学習会>が開催されます。チラシをこちらに掲載しています。

Pict0111

2010年7月23日 (金)

みんなといっしょに高校へ行きたい!「障害」のある子どもの高校進学を考える学習会

7月19日(月・祝)、<「障害」のある子どもの高校進学を考える学習会>が寝屋川市民会館会議室で行われました(主催:知的障害者を普通高校へ北河内連絡会)。

プログラムは下記のとおり。

1.知的障害者を普通高校へ北河内連絡会第5回総会(あいさつ、会計報告)

2.“寝屋川市の義務教育における医療的ケアを考える会”よりアピール

3.第4回「障害」のある子どもの高校進学を考える学習会

 (1)受験制度の説明
 (2)障害のある生徒を高校に迎えて~卒業生のメッセージ
 (3)パネルディスカッション
    ・小学校に通う子の保護者
    ・中学校・受験生の保護者
    ・支援学校に通う生徒の保護者
    ・
高校定時制に通う生徒の保護者
 
(4)フリートーク(全体を通して)

4.あいさつと、アンケートのお願い

参加者からは、「高校進学はさせてやりたいと思った。これからも勉強したい」「まだ小6だが、とても参考になった」「迷いながらみなさんがんばっておられることがよく伝わり、私もがんばらないとと思った」などの感想が寄せられました。

障害のある生徒の高校進学についての学習会は、今後、7月24日(土)に北摂地域(茨木市)、7月31日(土)に大阪市でも行われます。関心のある方は、どうぞ足をお運びください。チラシはこちらです。

Pict0033

Pict0120

2010年7月18日 (日)

障害のある人を「できない」と決めつけているのは、私たちの貧しい価値観ではないでしょうか?─映画『はながゆく。』

5月8日の記事で書いた赤阪はなさんの映画について、別ブログで書きましので、どうぞご覧ください。

「できる」「できない」の価値観がひっくり返る─赤阪はなさんの映画『はながゆく。』
http://massugu.way-nifty.com/blog/2010/07/post-c23a.html

2010年7月11日 (日)

教育現場から見る橋下教育改革の現状~子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会 例会

子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会の例会の案内をいただきましたので、転載します。

今回は、『「共に学び、共に生きる」教育が軽視されている「障がい児」教育政策』も話題のひとつに挙げられています。

(以下、転載)
-----------------------------------------------------------
会員の方はもとより、初めての方の参加も大歓迎です。
是非、参加していただき、一緒に議論を深めていきたいと思っています。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

   子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会 例会のご案内

  □日時 2010年7月31日(土) 18:00~21:00 
  □場所 天王寺区民センター 第4会議室 
         (地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽丘」下車5分)  
 
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

▼例会内容 
  【1】橋下「教育改革」の新たな段階と子どもの貧困
    (1)大阪府「2010年教育長マニフェスト」をどう読むか
        (2)大阪の子どもの貧困の深刻化
        (3)教員不足が深刻な大阪の実態

  【2】クループスカヤから現在の教育を考える<3>

▼内容案内
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
橋下「教育改革」の新たな段階と子どもの貧困
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 橋下府政が始まって3年。全国学力テストも3回実施。大阪府教委の「『大阪の教育力』向上プラン」も2年目に入りました。この間、大阪の教育は、「全国学力テストの結果向上」に特化した競争主義と格差拡大の教育に大きく変わってきました。
 大阪の教育現場では、「リーマンショック」以降、子どもたちの貧困はますます深刻化し、教材費を払えない子ども、病院に行けない子ども、十分な栄養がとれない子どもが増えています。政権交代によってもたらされた高校授業料無償化や子ども手当は、本当に貧困層の子どもたちを救っているのでしょうか。教職員は、研修漬けと多忙化が一層進み、全国学テの結果向上」という強い圧力のもとで、病気休職に追い込まれるケースが増えています。一端休職者が出ても、講師不足のために補充教員が来ないことも頻繁に起こっています。講師の来ない学校では、残りの教職員への精神的肉体的負担は極めて深刻なものとなっています。その結果、学級担任が空席になったり、自習が続いたりするクラスも出てきており、学校そのものが機能しないところまで来ています。
 「2010年度教育長マニフェスト」は、子どもたちや教職員の危機的実態を顧みず、「全国学テ」に向けて市町村と教員を一層競わせるだけでなく、学校組織を学テ向上を目指す「経営体」に作り替えることを狙っています。私たちは、橋下「教育改革」 が新しい段階に入り始めた現時点で、子どもと教育現場の実態をリアルに明らかにする中で徹底して批判したいと思っています。
 今回の例会では、「大阪の子どもたちの貧困」と「教員不足が深刻な大阪の実態」を中心に取り上げ、橋下「教育改革」が何をもたらそうとしているのか、現場から考えていきたいと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
教育現場から見る橋下教育改革の現状
   ~2010年度教育長マニフェストは教育をどう変えようとしているのか~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(1)2011年度大阪府独自学力テストを決定

 大阪府教委は、全国学テが悉皆調査にもどらないかぎり、独自学力テストを行うことを決定しました。小学6年の国語と算数、中学3年の国語と数学と英語で実施し、問題の作成、回収、採点、集計の全てを民間業者に委託する計画です。橋下知事の最大の眼目は、市町村別の結果を公表し、「学力向上」を競わせることにあります。
 2回の全国学力テで結果の悪かった中学校には、学力向上担当教員を配置し、学力向上方策を作成し、市町村教委に報告とチェックを日々受けることになっています。全国学テスト参加率が100%となった大阪市でも、全小中学校に全国学テの結果を踏まえた「学力向上プラン」を作成させ、その進捗状況のチェックを市教委から厳しく受けることになっています。学校の教育活動全体が、学力テストの結果向上のためにあるかのような状況が生まれています。
 教育長マニフェストでも、全国学テの「正答率」「無解答率」「家庭で30分以上学習している割合」「復習する習慣が身についている割合」などで「全国平均」をとれるかどうかどうかで、成果を検証することをはっきりと打ち出しました。

(2)進学指導特色校を中心にしたエリート教育の推進

 教育長マニフェストは、来年度開校する進学指導特色校の準備に力点をおいています。進学指導特色校の指定を受けた10校には、全府立高校に先行して「学校経営計画」を作成させ、「大学進学の実績や進路希望の達成度」を重視する「事業評価基準」作りを始めています。また、「進学指導特色校学力スタンダード」(生徒に身につけさせたい学力)の確立、「世界に通じる日本一のカリキュラム」作り、その成果を検証する「学力診断共通テスト」を準備しています。府教委は、進学指導特色校に手厚い予算をつけ府立学校の差別化を行い、新たに指定を受けたい学校にも「学力診断共通テスト」を開放し、進学指導特色校を目指す競争を煽ろうとしています。橋下知事は、「進学指導特色校にどんと予算をつけます。進学指導特色校の教員には十分な海外経験もしてもらいます。それがステータス。そのような経験がしたいのであれば、学校自体が進学特色校に選ばれるように努力するか、教員が進学特色校で勤務できるように努力してもらいます。」(知事メール2010.3.10)と、その意図を露骨に語っています。
 また、「教育成果」を踏まえて「がんばっている府立高校」への支援も打ち出しました。「教育成果」を「際だった成果(全国No1、全国Only1など)」と例示し、文化・体育的な活動においても「結果」を残すことを「支援」の条件に上げています。
 特に貧困層の集中する府立高校では、「中退」が深刻な問題となっています。「中退」は、経済状況や子どもたちの貧困、高校卒業者の内定率の悪化などと密接に関係しているにもかかわらず、それらについての具体策を語らず「中退率を平成25年度には2.0%をめざす」と数値目標だけを設定しています。これでは、「中退」に孕む本質的な問題に取り組むことなく、数あわせの取り組みになるのではないかと危惧されます。

(3)「共に学び、共に生きる」教育が軽視されている「障がい児」教育政策

 学力競争に邁進する橋下「教育改革」の中で障がいのある子どもたちの教育は、どのように考えられているのでしょうか。教育長マニフェストでは、支援学校の環境整備と就労支援が具体的課題にのぼり、成果の検証も「知的障がい支援学校卒業生の就職率向上」のみです。橋下「教育改革」が支援学校の教育をどのように変えようとして いるのか、これから慎重に検討していかなければなりません。しかし、少なくとも言えることは教育長マニフェストには、小中学校、府立高校の中で障がいのある子どもたちが「共に学び、共に生きる」ための施策が全くないことです。私たちは、「共に学び、共に生きる」教育を推進するためには、何よりもそのための教員加配が必要だと考えていますが、それは全く方針化されいません。
 私たちは、橋下知事の進める能力主義教育が、障がいのある子どもたちを分離していくことにならないか強い危惧を持っています。1960年代に全国学テを実施したとき、 全国の学校に「障がい児学級」が飛躍的に増え分離教育が拡大したこと、全国学テ成績上位の都道府県で「障がい児学級」の設置率が高くなったことを思い出さなければならないと考えています。

(4)中学校への給食完全実施を放棄し、「全国体力テスト」対策に邁進

 橋下知事が知事選の選挙公約に上げていた全中学校での給食導入は、給食法の適応を受けないスクールランチ導入に変わり、現在ではそのスクールランチの実施さえ足踏み状態になっています(2009年:府内全中学校の約23%実施)。しかも、実施している学校でも生徒の利用者が2%程度に低迷しているところも少なくありません。貧困層の子どもたちにとって学校での給食の保障は極めて重要であり、子どもたちの教育権・生存権に直結します。しかし、教育長マニフェストでは、スクールランチの現状打開策を全く示さず、それどころか子どもたちの「体力向上」に問題をすり替え、「スポーツ大会の充実」「なわとび級判定」の活用などを重視しています。大阪府は、今年度から「全国体力調査」の市町村別結果公表に踏み出し、「学力向上」だけでなく「体力向上」でも競争させようとしているのです。

(5)府立学校の「経営体」化=「学校マネジメント力」の強化

 今回の教育長マニフェストの最大の特徴が、個々の教員を「授業力向上」の名目で授業評価や研修で管理強化する段階から、学校全体の「経営体」化を目指そうとしていることです。昨年度から府立学校に「学校評価」が義務付けられ、それを軸にして「学校経営に対する点検・評価・改善システムの構築」を図ろうとしています。そのために全府立学校に数値目標を重視する「学校経営計画」の策定を強要しようとしています。
 同時に「多様な人材の校長への登用」や「若手教員からの教頭等への登用」なども打ち出し、校長・准校長の「リーダーシップの強化」を図ろうとしています。また、教職員一人一人に対しては、「評価育成システム」を強化し「新制度」へ移行することを打ち出しています。今後、「学校評価」と「学校経営計画」と「評価育成システム」が一体となって、学校全体を「経営体」に変貌させることを狙っています。 

« 2010年6月 | トップページ | 2010年8月 »

フォト

もうひとつのブログもご覧ください!

2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31