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2010年4月 5日 (月)

障害のある生徒の2010年度高校入試をふりかえって─①

高校入試シーズンが終わりました。入試状況をふりかえりつつ、大阪府における障害のある生徒の高校受験の現状について書いてみたいと思います。             

ここで話題にしたいのは、“重度”といわれる障害があって、学力検査の点数をとるのが難しい生徒たちのこと。今年度も、そうした生徒たちが府内各地で受験に取り組みました。

結果は─。例年と同じく、受験者数が募集定員より少ない「定員割れ」の高校では合格し、受験者数が募集定員を超えた高校では不合格になりました。2月15日の記事でご紹介した、10年目の受験の新(あらた)万智子さんは、家から近い第一希望の全日制高校は定員超で不合格。その後、定時制高校の二次募集に応募し、幸い「定員割れ」だったので合格できました。

学力検査で点数をとることを求める現在の選抜制度のもとでは、障害があるために点数がとれない生徒は、高校に入る道を基本的に閉ざされています。大阪府では「定員内不合格者は出さない」というのが原則になっているので、定員が割れていれば合格できます。しかし、それは逆に言えば、定員が割れないかぎり入れないということです。

府立高校の定員は、なかなか割れません。出願しめきりを前にして、障害のある生徒と保護者は、新聞に発表される「進路希望調査」の結果や「志願者中間集計」を見て、定員が割れそうな高校を必死で探すことになります。しかし、読みに読んでも、最終的に定員を超えてしまう場合も多いし、また、家から通える範囲の高校が定員割れしなければ、結局、入れるところはありません。

今年度の後期試験では、第2学区(守口市、枚方市、寝屋川市、大東市、門真市、四條畷市、交野市、大阪市の一部)の全日制普通科は、1校も定員割れしませんでした。他の学区では、割れている高校もあります。住んでいる場所によって、高校に行けるか行けないか、その子の人生が決まってしまうのは、不公平ではないでしょうか。

そして、朝日新聞の報道(2010.3.8)によれば、橋下徹知事は、「だめな高校は退場してもらう」「募集定員の何割かを下回れば公立は撤退、と決めておかなければならない。良い学校が残ればよい」と主張しています。今後、定員を割れさせてはいけないという動きが強まっていけば、障害のある生徒たちの狭き門は、ますます狭くなります。

現在の選抜制度が続くかぎり、点数のとれない生徒たちの高校進学の壁は厚いといえます。しかし、それでも、定員割れなら合格できる、というのは希望です。

2001年度と2002年度、新万智子さんは「定員内」だったのにもかかわらず、不合格になりました。それから8年、運動団体が長年交渉してきた結果、今は「定員内不合格者は出さない」を原則にするところまで進んできています。今年度の入試では、私の知っているかぎり、新さんを含めて4人の障害のある生徒が「定員割れ」で合格を果たしました。

“重度”といわれる障害があると、進路は特別支援学校(養護学校)しかないと思われがちですが、普通の高校に行ける可能性もあるのです。障害のある生徒と保護者の方は、最初から選択肢を限定せず、ぜひ高校受験にチャレンジしていただきたいと思います。

(次回に続く)

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