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2010年2月25日 (木)

3月6日 子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会 例会

『子どもに「教育への権利」を! 大阪教育研究会』の例会の案内をいただきましたので、下記に掲載します。

競争主義が進む学校現場は、障害のある子にとっても、ない子にとっても、ますます息苦しい場所になっていくのではないでしょうか。

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   子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会 例会のご案内

  □日時 2010年3月6日(土) 18:00~21:00 
  □場所 クレオ大阪中央 会議室2 
         (地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽丘」下車5分)  
 
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▼例会内容 
  【1】子どもの学習権保障から見た教員評価制度
         ~新勤評反対訴訟で問題になった論点~

  【2】沖縄戦 平和教育実践の交流      


  【3】クループスカヤの子ども観、教育観に学ぼう!②


▼内容案内
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【1】子どもの学習権保障から見た教員評価制度
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  大阪府と大阪府教委は、2004年に「教職員評価育成システム」を本実施し、2006年度以降の評価結果を翌年度の昇給と勤勉手当に反映させる制度(=新勤評制度)を現在も強行しています。
  府教委は教員評価が「資質能力の向上」のために有効であると喧伝しています。しかし、府教委の求める教員の「資質能力」とは、与えられた指示を効果的に実行できる資質能力であって、生徒の実態から出発した同僚同士の集団的な論議のなかで自主的に実践的課題を見いだし、その解決を模索する資質能力ではありません。
 教員評価と給与の格差付けは、教職員に行政当局と管理職の指示通りに働くことを強制し、協働と共同によって支えられてきた教育の職務は破壊し、多様な子どもたちに向き合ってきた多様な教職員の取組みを押しつぶしていきます。
  学校教育における協働性と多様性は教育を進めるにあたって不可欠なものです。この協同性と多様性によってこそ、極めて多様で多感な子どもたちの教育活動が可能となります。しかし、新勤評制度によって校長の定める目標に従属する形で個々の教員の「教育目標」がたてられる場合には、「目標」に直接関係のない教育が軽視されることになります。特定の「目標」にかかわる部分にばかり目が向けられ、その他の教育がおろそかになる事によって、子どもたちの教育を受ける権利が侵害されます。
  「○○大学○○名以上合格」という学校目標を立てた府立高校があります。府教委は、数値目標を奨励しており、このような目標設定が通常あり得ることを新勤評反対訴訟の 中で認めています。橋下大阪府知事が「東大・京大合格者300人の高校を作る」と表明したことを見ても、行政は、大学合格実績等に偏った特定の「目標」を教員に押しつけ競争させる圧力を強めています。このような教育目標を掲げてその当該校の教職員が一丸となって「奮闘」することが正しいのでしょうか。このシステムは、教育行政や校長・教員が子どもたちを「成果」達成のための「道具」にしてしまいます。
 新勤評反対訴訟は、法廷と運動を通じてこれらの実態とその不当性を明らかにしてきました。2月19日には大阪高裁判決がでます。今回の例会では、新勤評反対訴訟が地裁から高裁にかけて何を問うてきたかを概観し、その内容についての意見交換を行いたいと考えています。

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【2】前回の例会の紹介
   小中学校現場からの報告~疲弊する大阪の教職員の実態と橋下改革
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 12月19日、第3回例会を開催しました。今回のテーマは、「小中学校現場からの報告―疲弊する大阪の教職員の実態と橋下改革」と銘打ち、主に中学校の教員からの職場実態の報告を受け、現場の疲弊を身近に感じるものでした。
 まず、「大阪の教職員の疲弊と過労の実態」の報告がありました。ショッキングなことは、教員1万人あたりの数で比較すると、大阪府の精神疾患による休職者数(97名)が全国平均はおろか、東京都よりもはるかに多いということです。しかも大阪府の中でも大阪市が突出しており、大阪市の1万人当たり精神疾患者数は168名にのぼります。経年でのび数を見ていくと94年から95年にかけてと、02年から03年にかけて飛躍的に増加しています。
 94~95年、02~03年にかけて精神疾患による休職者数が増えているのは、学校5日制
とのからみ(92年学校週五日制(第二土曜)スタート、95年月二回の学校週五日制スタート)やそれに伴う労働の過密化、文書主義、全般的な不満社会とのからみで論じられなければならないのではといった議論になりました。
 景気は97年をピークに恐慌局面に入りました。新自由主義的雇用政策により、95年約20%だった非正規雇用がそれ以降急速に増加し続け、2007年には3分の1を超えるなど雇用による格差が急速に進むとともに、同時期に正規雇用の削減と賃金切り下げが進むなど、勤労者人民の生活が、したがってその子供の生活環境が急速に悪くなっていったのが子供に悪影響を与え「学校のあれ」につながったと思われます。
 そんな中で、日教組は文部省との協調路線を打ち出しました。また文部省の教育政策の動揺は激しいものでした。89年に「ゆとり教育」が開始され、また98年には学習指導要領の改訂で「生きる力」が盛り込まれます。これらは2002年度から全面実施されますが、その途端に「確かな学力」の向上が唱えられ、「ゆとり教育」の見直しが始まります。現場はそれらにある意味翻弄されました。しかし、これらの全国的な状況だけでは大阪での病気休職者の増加を説明することは出来ません。大阪での深刻な子どもたちの貧困とそれを放置する行政の対応など、大阪の子どもたちを取り巻く環境をしっかり見ていく必要があります。
 さらに、橋下知事の下で進められる競争と評価による「学力向上」政策によって、大阪の教員の疲弊化は新たな段階に入っており、今後継続的な分析が必要なことも議論となりました。

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【3】トピック:橋下「教育改革」①
       全国学力テストに雪崩をうって「希望参加」する各自治体
      2011年度から独自学力テストで市町村別結果公表を続ける大阪府教委
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 2010年度全国学力テストは、民主党政権の登場によって3割「抽出」となりましたが、抽出もれした地域の「希望参加」の余地が残されることになりました。「希望参加」は、文科省からテスト問題は提供するが、採点や集計を各市町村教委(実際には各学校の教員)に負担させるものです。そのような中で、一部には「希望参加」しない自治体もありますが、上から画一的に全校参加を決める自治体も多くあります。(報道されているものだけで14都道府県)今後も増えていく可能性は大です。
 大阪府内では、5~6の市町村教委が、独自学力テストを実施していることを理由に「希望参加」しないことを表明しています。しかし、それ以外の多くの市町村教委は全校参加に踏み出そうとしています。大阪市教委は、全員参加の独自学力テストをしながらも、いち早く全校参加を決めました。子どもたちがテスト漬けになり、その結果に学校教育全体が翻弄される状況はますます加速しそうです。
 これは、全国学テが各市町村教委の教育政策、とりわけ学力政策の成果を測る基準となっているからです。最近公表された大阪府の「教育長マニュフェスト」の進捗状況では、「正答率」「無回答率」「家庭で30分以上学習している割合」「復習をする習慣がついている割合」などで「全国平均を目指す」ことがメルクマールになっています。
 全国学テの抽出化によって大阪府教委は、2011年度から全校で独自テストの実施を決めました。抽出化された全国学テでは市町村別成績が把握されないため、独自にテストを実施し市町村別結果を公表しようというのです。採点・集計を民間業者に委託し、1回のテストに約2億円もの予算が予定されています。
 このような市町村別結果公表を予定している大規模な独自テストの導入を考えているのは、今のところ大阪府だけです(岡山県は以前の独自テストを復活、京都府と島根県は従来の学力テストを拡充)。大阪では、全国学テの抽出化は学力競争を緩和するのではなく、大阪府内の市町村間の学力競争に一層拍車をかける方向に向かっています。私たちは、あらためて点数と評価による学力競争のもとで教育そのものが「テスト対策」学習にゆがめられていくことに警鐘を鳴らしていきたいと思います。

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