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2010年2月

2010年2月28日 (日)

「インクルーシブ教育を推進する議員連盟」が発足

豊中市のインクルーシブ教育を考えるシンポジウムでも話題になっていた「インクルーシブ教育を推進する議員連盟」(→レポートはこちら)が、とうとう正式に発足しました。

その設立総会のレポートを「障害者権利条約批准・インクルーシブ教育推進ネットワーク」からいただきましたので、転載します。

(以下、転載)
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皆さま

2010年2月23日、インクルーシブ教育を推進する議員連盟の設立総会がひらかれ、正式に発足が承認されました。

現在、議連に議員に登録している人数は、72名。参議院19名、衆議院は53名となっています。総会には、国会議員33名、秘書20名の参加がありました。大変、盛況な総会であったという印象です。谷博之議員が司会、神本美恵子議員が議連の趣旨説明、役員の提案をしました。

この総会で、役員の承認が行われ、会長として中野寛政議員、副会長として、藤村修議員、奥村展三議員、石毛えいこ議員、笠浩史議員、首藤信彦議員、松崎哲久議員となりました。

以下は、南舘の記憶をたよりに総会の報告をします。雰囲気を理解していただくために、送付させて頂きます。

会長の中野議員は、先日豊中で行われた「第8回インクルーシブ教育を考えるシンポジウム」があったことを紹介し、その資料を持参して話をしていました。彼は、インクルーシブ教育が行われている教室で、子どもや孫が学んだこと、そのため地域で普通に障害をもつ人と自然に接することができている。学校の中で、これらの体験を得たことが社会の中で障害をもつ人への態度を育てたと語りました。また、彼自身の色覚障害についても触れ、先生も理解してくれなかった悔しい思いについても話をしました。最後に、障害者権利条約も批准したら終わりではないこと。そこがスタートになる。当事者を励まし、保護者を勇気づけ、自信を持っていけるようにしたい。一からのはじまりだがみんなでやっていきたいと、述べました。

来賓として出席した高井政務官は、インクルーシブ教育は、国際的な流れであるとし、「障がい者制度改革推進会議」に教育関係者が少ないことを心配していたが、教育部会が設置されると聞き安心したところ。また、インクルーシブ教育を推進する議員連盟が発足したので、政策について連携していきたい。ただし、多くの方々から「特別支援教育はなくなるのか」と聞かれることが多く、「原則インクルーシブ教育」と、「特別支援教育は、否定するものではない」と伝えていると述べました。特に、保護者、関係者に特別な対応を望んでいる声が多く寄せられており、特別な支援、学校を充実して欲しいという声が強いという
実態を語りました。

その後、専修大学の嶺井先生の講演がありました。「インクルーシブ教育は公教育の基本」という表題で、サラマンカ宣言からの国際的な流れの確認からはじまりました。イギリス、イタリアでの教育を紹介しながら、日本の課題を説明していました。

講演に対する質問は、

・インクルーシブの訳について 何か適切なのか
嶺井先生:よい訳語がなく悩ましいが、包摂共生教育としているこれまで、運動の中で使われてきた、共生共学も良いと思う。

・インクルーシブ教育は、保護者のいない子どもや経済的な困難を抱えている子どもを含めているものなのか
嶺井先生:本来は含むが、障害をもつ子どもの教育を突破口として、広げていきたいと思っている。

・学校では、学力を保障して欲しいという声もある。インクルーシブ教育との関係は?
嶺井先生:難しい質問。教育実践での目的の設定の仕方だと考えている。深く学ぶには、学んだ事を人に伝えることも大切。教える中で深く理解できる。これは、インクルーシブ教育そのものでもある。

・障害に対する社会認識を変えていく必要がある。国際人権規約から見直し、批准するべき

予定していた5時を過ぎていましたが、多くの鋭い質問が寄せられていました。

4時開始、5時20分終了でした。

2010年2月26日 (金)

インクルーシブ教育の実現に向けて法改正を求める連続院内集会vol.2

3月16日の「障害者権利条約批准・インクルーシブ教育推進ネットワーク」主催の院内集会のチラシをいただきましたので、掲載します。(画像をクリックしていただくと、拡大します。)

(チラシの案内文より)

 2010年1月12日、第1回障がい者制度改革推進会議が内閣府において開催され、精力的に論議が重ねられています。また、2月23日には、与党民主党内で、72名の議員の皆さんの賛同を得て、「インクルーシブ教育を推進する議員連盟」が発足しました。政治の舞台では、「インクルーシブ教育」へのチェンジがされようとしています。

 春も近いというのに、いまだに「就学通知」を手にしていない親子がいます。進級にあたり、特別支援学級や学校への転校を勧められ、不安な日々を過ごしている親子がいます。なぜ、このようなことが起こるのでしょう。現行の教育制度が原則分離になっているからです。

 現行の教育制度を障害者権利条約で謳われている「インクルーシブ教育」に変えていくためには、国内法整備が不可欠です。具体的には、どのような法令があるのか、その法令によって、どのような差別事象が起こっているのか、現場の生の声を届けていきましょう。

 多くの議員の方たちに、私たちの思いを伝え、「インクルーシブ教育(共に生き共に学ぶ教育)」の実現へ向けて、さらなる一歩を進めていきましょう。

I

2010年2月25日 (木)

3月6日 子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会 例会

『子どもに「教育への権利」を! 大阪教育研究会』の例会の案内をいただきましたので、下記に掲載します。

競争主義が進む学校現場は、障害のある子にとっても、ない子にとっても、ますます息苦しい場所になっていくのではないでしょうか。

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   子どもに「教育への権利」を!大阪教育研究会 例会のご案内

  □日時 2010年3月6日(土) 18:00~21:00 
  □場所 クレオ大阪中央 会議室2 
         (地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽丘」下車5分)  
 
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▼例会内容 
  【1】子どもの学習権保障から見た教員評価制度
         ~新勤評反対訴訟で問題になった論点~

  【2】沖縄戦 平和教育実践の交流      


  【3】クループスカヤの子ども観、教育観に学ぼう!②


▼内容案内
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【1】子どもの学習権保障から見た教員評価制度
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  大阪府と大阪府教委は、2004年に「教職員評価育成システム」を本実施し、2006年度以降の評価結果を翌年度の昇給と勤勉手当に反映させる制度(=新勤評制度)を現在も強行しています。
  府教委は教員評価が「資質能力の向上」のために有効であると喧伝しています。しかし、府教委の求める教員の「資質能力」とは、与えられた指示を効果的に実行できる資質能力であって、生徒の実態から出発した同僚同士の集団的な論議のなかで自主的に実践的課題を見いだし、その解決を模索する資質能力ではありません。
 教員評価と給与の格差付けは、教職員に行政当局と管理職の指示通りに働くことを強制し、協働と共同によって支えられてきた教育の職務は破壊し、多様な子どもたちに向き合ってきた多様な教職員の取組みを押しつぶしていきます。
  学校教育における協働性と多様性は教育を進めるにあたって不可欠なものです。この協同性と多様性によってこそ、極めて多様で多感な子どもたちの教育活動が可能となります。しかし、新勤評制度によって校長の定める目標に従属する形で個々の教員の「教育目標」がたてられる場合には、「目標」に直接関係のない教育が軽視されることになります。特定の「目標」にかかわる部分にばかり目が向けられ、その他の教育がおろそかになる事によって、子どもたちの教育を受ける権利が侵害されます。
  「○○大学○○名以上合格」という学校目標を立てた府立高校があります。府教委は、数値目標を奨励しており、このような目標設定が通常あり得ることを新勤評反対訴訟の 中で認めています。橋下大阪府知事が「東大・京大合格者300人の高校を作る」と表明したことを見ても、行政は、大学合格実績等に偏った特定の「目標」を教員に押しつけ競争させる圧力を強めています。このような教育目標を掲げてその当該校の教職員が一丸となって「奮闘」することが正しいのでしょうか。このシステムは、教育行政や校長・教員が子どもたちを「成果」達成のための「道具」にしてしまいます。
 新勤評反対訴訟は、法廷と運動を通じてこれらの実態とその不当性を明らかにしてきました。2月19日には大阪高裁判決がでます。今回の例会では、新勤評反対訴訟が地裁から高裁にかけて何を問うてきたかを概観し、その内容についての意見交換を行いたいと考えています。

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【2】前回の例会の紹介
   小中学校現場からの報告~疲弊する大阪の教職員の実態と橋下改革
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 12月19日、第3回例会を開催しました。今回のテーマは、「小中学校現場からの報告―疲弊する大阪の教職員の実態と橋下改革」と銘打ち、主に中学校の教員からの職場実態の報告を受け、現場の疲弊を身近に感じるものでした。
 まず、「大阪の教職員の疲弊と過労の実態」の報告がありました。ショッキングなことは、教員1万人あたりの数で比較すると、大阪府の精神疾患による休職者数(97名)が全国平均はおろか、東京都よりもはるかに多いということです。しかも大阪府の中でも大阪市が突出しており、大阪市の1万人当たり精神疾患者数は168名にのぼります。経年でのび数を見ていくと94年から95年にかけてと、02年から03年にかけて飛躍的に増加しています。
 94~95年、02~03年にかけて精神疾患による休職者数が増えているのは、学校5日制
とのからみ(92年学校週五日制(第二土曜)スタート、95年月二回の学校週五日制スタート)やそれに伴う労働の過密化、文書主義、全般的な不満社会とのからみで論じられなければならないのではといった議論になりました。
 景気は97年をピークに恐慌局面に入りました。新自由主義的雇用政策により、95年約20%だった非正規雇用がそれ以降急速に増加し続け、2007年には3分の1を超えるなど雇用による格差が急速に進むとともに、同時期に正規雇用の削減と賃金切り下げが進むなど、勤労者人民の生活が、したがってその子供の生活環境が急速に悪くなっていったのが子供に悪影響を与え「学校のあれ」につながったと思われます。
 そんな中で、日教組は文部省との協調路線を打ち出しました。また文部省の教育政策の動揺は激しいものでした。89年に「ゆとり教育」が開始され、また98年には学習指導要領の改訂で「生きる力」が盛り込まれます。これらは2002年度から全面実施されますが、その途端に「確かな学力」の向上が唱えられ、「ゆとり教育」の見直しが始まります。現場はそれらにある意味翻弄されました。しかし、これらの全国的な状況だけでは大阪での病気休職者の増加を説明することは出来ません。大阪での深刻な子どもたちの貧困とそれを放置する行政の対応など、大阪の子どもたちを取り巻く環境をしっかり見ていく必要があります。
 さらに、橋下知事の下で進められる競争と評価による「学力向上」政策によって、大阪の教員の疲弊化は新たな段階に入っており、今後継続的な分析が必要なことも議論となりました。

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【3】トピック:橋下「教育改革」①
       全国学力テストに雪崩をうって「希望参加」する各自治体
      2011年度から独自学力テストで市町村別結果公表を続ける大阪府教委
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 2010年度全国学力テストは、民主党政権の登場によって3割「抽出」となりましたが、抽出もれした地域の「希望参加」の余地が残されることになりました。「希望参加」は、文科省からテスト問題は提供するが、採点や集計を各市町村教委(実際には各学校の教員)に負担させるものです。そのような中で、一部には「希望参加」しない自治体もありますが、上から画一的に全校参加を決める自治体も多くあります。(報道されているものだけで14都道府県)今後も増えていく可能性は大です。
 大阪府内では、5~6の市町村教委が、独自学力テストを実施していることを理由に「希望参加」しないことを表明しています。しかし、それ以外の多くの市町村教委は全校参加に踏み出そうとしています。大阪市教委は、全員参加の独自学力テストをしながらも、いち早く全校参加を決めました。子どもたちがテスト漬けになり、その結果に学校教育全体が翻弄される状況はますます加速しそうです。
 これは、全国学テが各市町村教委の教育政策、とりわけ学力政策の成果を測る基準となっているからです。最近公表された大阪府の「教育長マニュフェスト」の進捗状況では、「正答率」「無回答率」「家庭で30分以上学習している割合」「復習をする習慣がついている割合」などで「全国平均を目指す」ことがメルクマールになっています。
 全国学テの抽出化によって大阪府教委は、2011年度から全校で独自テストの実施を決めました。抽出化された全国学テでは市町村別成績が把握されないため、独自にテストを実施し市町村別結果を公表しようというのです。採点・集計を民間業者に委託し、1回のテストに約2億円もの予算が予定されています。
 このような市町村別結果公表を予定している大規模な独自テストの導入を考えているのは、今のところ大阪府だけです(岡山県は以前の独自テストを復活、京都府と島根県は従来の学力テストを拡充)。大阪では、全国学テの抽出化は学力競争を緩和するのではなく、大阪府内の市町村間の学力競争に一層拍車をかける方向に向かっています。私たちは、あらためて点数と評価による学力競争のもとで教育そのものが「テスト対策」学習にゆがめられていくことに警鐘を鳴らしていきたいと思います。

2010年2月23日 (火)

豊中「インクルーシブ教育を考えるシンポジウム」レポート-4

P1050874

レポート-3からの続きです。

超スローペースですが、自分の復習という意味もあって、詳しくまとめていきたいと思っています。息長くおつきあいください。

大谷恭子さんは、「ともに生き、ともに学ぶ教育」は、文部科学省が現在進めている「特別支援教育」では実現できない。障害者権利条約にのっとった「インクルーシブ教育」で行われなければならない、と主張します。

そして、「インクルーシブ教育」と「特別支援教育」のちがいを、以下のように説明されました。

○インクルーシブ教育
・(障害のある子とない子の)教育制度は原則統合し、必要な合理的配慮と必要な支援は統合した環境の中で保障される。 【統合+配慮+支援】
・社会が変わることによって、障害のある人とない人がともに生きることができるという考え方。 【社会の受け入れによる社会参加】

○特別支援教育
・(障害のある子とない子を)原則分離したまま、特別なニーズに応じて必要な支援をする。 【統合なき特別支援】
・社会は何も変わらないまま、障害のある人が一生懸命努力して社会参加していくという考え方。 【自己努力による社会参加】

続いて、現在の特別支援教育の問題点を具体的に指摘。

まず、特別支援教育における「支援」は、あくまで障害のある子とない子を分離することを前提にしており、普通学校でともに学ぶことに対しての「合理的配慮」や「支援」がとぼしい点です。

<普通学校と特別支援学校の学校教育費の格差>
子ども一人あたりの学校教育費(2005年度)をみると─。
 ・普通学校→中学校 103万円、小学校 89万円
 ・盲・聾・養護学校(現:特別支援学校)→870万円

と、特別支援学校で学ぶ子には、普通学校で学ぶ子の8~9倍の学校教育費がかけられている。普通学校で学ぶ障害のある子にも、必要な支援がなされるべきである。

<「特別支援学校への就学奨励に関する法律」の問題点>
「障害のある児童生徒等の保護者等の経済的負担を軽減するために必要な援助」として、国の補助で地方公共団体から保護者に支給される「特別支援教育就学奨励費」は、「特別支援学校」と「特別支援学級」に在籍する子にしか支給されず、普通学校の普通学級に在籍している障害のある子には支給されない。差別的な法律である。

<「特別支援教育支援員制度」の問題点>
2007年度から始まったこの制度は、普通学級にいる障害のある子にも支援員をつけるという、文部科学省の目玉政策。しかし、その現状は─。

東京で接したケースでは、支援員が行っているのは「学習の支援」のみで、「生活介助」(食事介助、トイレ介助)が行われていない。普通学級に入るには、食事やトイレが自力でできるのが前提とされていて、結局、母親が学校に来て介助している。

「学習の支援」でも、教室移動や、教科書のページをめくる手伝いはするが、その子は少し手を添えれば字が書けるのに、そうした意思表示の支援はしない。というふうに、支援員がついていても、できることとできないことが区分され、本来、必要な支援が受けられない状態になっている。

この「特別支援教育支援員」は、自治体によって配置率の格差が大きい。その不足する部分を誰が担っているかというと、すべて保護者に課せられている。

─このように、現在の特別支援教育は分離を前提としていますが、それでも、就学指導の実態(2008年度)をみると、就学指導委員会が特別支援学校「適」と判断した子6791人のうち、実際に特別支援学校に就学したのは5428人。1363人(20%)の子どもたちは、就学指導委員会の判定にもかかわらず、地域の小学校に就学しているそうです。

「就学指導をこえて、地域の小学校に入学する子は後を絶たない。普通学校で学びたいという潜在的ニーズ゙は高い」と大谷さんは言います。

(次回に続く)

※筆者注:もたもたやっているうちに、2月15日(月)、第3回障がい者制度改革推進会議が行われました。こちらで会議の模様がストリーミング動画で見られます。

2010年2月21日 (日)

インクルーシブ教育推進ネットワークの今後の予定

「障害者権利条約批准・インクルーシブ教育推進ネットワーク」  (略称:インクルネット)から、今後の活動予定をいただきましたので、転載します。

障害者制度改革推進会議と、「インクルーシブ教育を推進する議員連盟」の動き、注目ですね。

ーーーーーーーーーーーーー転送大歓迎ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、今後の予定をお知らせします。

●障害者制度改革推進会議が発足し、インクルネットからも事務局の東弁護士が事務局長に、尾上浩二さん、大谷恭子さんが構成員に入って活躍しています。
詳細は内閣府共生社会政策障害者施策ホームページに資料、議事録、動画が配信されています。
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/kaikaku.html#kaigi

第4回目は3月1日、第5回目は3月19日の予定です。
教育は第5回目に取り上げられる予定ですが、第3回目で予定がずれていますので確定ではありません。

●このような中、「インクルーシブ教育を推進する議員連盟(仮称)」が発足します。昨年末の障害者政策研究会で民主党神本議員を招きその後アプローチしてきました。
来週頭に議連総会を開催して正式発足します。
総会で、インクルネット共同代表の嶺井正也さんが講演します。
(題目:「インクルーシブ(共に学び共に生きる)教育は公教育の基本」)

残念ながら今回は一般参加ができませんが、今後は体制を作っていきます。

●院内集会のお知らせ
3月16日(火)
参議院 第一階議室
チラシ等作成中です。でき次第配布しますので予定をあけておいてください。

●インクルネット全国集会 石川集会のお知らせ
東京、熊本、大阪、愛知と続き、今年は石川県金沢市で全国集会を開催します。
5月8日(土) 金沢市
チラシ等が現地実行委員会から来ましたら配信します。

●その他 インクルネットではインクル通信を発行しています。
NO1,NO2が既刊済みです。

以上、今後ともよろしくお願いします。

インクルネット事務局 一木

2010年2月17日 (水)

「障害児」の高校進学を考える兵庫県交流集会

『第7回「障害児」の高校進学を考える兵庫県交流集会』のチラシをいただきましたので、掲載します。(画像をクリックしていただくと、拡大します。)

(チラシの案内文より)
 今までの文科省は分離別学の「特別支援教育」を進めてきましたが、先の政権交代で、私たちが望む真の統合教育へ転換させるチャンスがやって来ました。
 ところが、状況が代わっても、兵庫県教委は、従来の方針のまま、障害児・者進学の最後の希望といえる定時制夜間高校を次々つぶして単位制多部割高校へ統廃合しつつあります。私たちは様々なハンディを持つ生徒を切り捨てるこのようなやり方に反対していかなければなりません。この春にもその夜間高校受験にチャレンジする仲間がいます。その思いを受けて本集会を開催します。

Photo

2010年2月15日 (月)

新 万智子さん、10年目の高校受験

「インクルーシブ教育を考えるシンポジウム」のレポートを中断して、今日は別の話題。

現在、日本の高校進学率は97%以上です。ほとんどの中学生が卒業後の進路として、当然のように高校進学を考えると思います。ところが、障害のある生徒には、入試制度の壁があるために、その道がまだまだ開かれていません。

そんななか、今年、大阪では、枚方市の新 万智子(あらた・まちこ)さんが10年目の受験に挑みます。

10年も受験を続けているというと、もしかしたら、何かエキセントリックな感じを受ける方もいらっしゃるかもしれません。でも、彼女の行動は、学校でも社会でも、誰もがそこから排除されるべきではない。障害がある人もない人も、いっしょの場で生き、暮らすのがあたりまえ。──という、素朴でまっとうな思いにもとづくものです。

10年目の今年こそ、万智子さんの進学を実現しようと、市民が応援の輪を広げています。今後、応援行動の情報をお知らせしていきますが、まずは彼女について知っていただきたく、私が書いた記事を下記に掲載します(「障害」児・者の生活と進路を考える会『考える会通信』2010年2月号)。

また、「知的障害者を普通高校へ 北河内連絡会」の松森俊尚さんのホームページには、母親の美鈴さんが書かれた手記が載っていますので、あわせてご覧ください。→こちらです。

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(あらた) 万智子(まちこ)さん、10年目の高校受験

 もうすぐ高校入試シーズン。今年で10年目の受験に挑むのが、大阪府枚方市の新 万智子さんだ。生まれながらの知的障害をもつ彼女は、中学卒業時の2001年、地元の府立長尾高校を受験して不合格。それから毎年、何度落とされてもあきらめず、同校を受け続けてきた。「今年こそ、合格したい!」と今、希望を燃やしている。万智子さんとともに入試の壁と闘ってきた母親の美鈴(みすず)さんに、この9年間を通しての思いをうかがった。

■友だちが行くように、あたりまえに高校に行きたい

 「ハンディがあっても、社会に出て行ける子に育てたかったんです」と、美鈴さんは言う。万智子さんは生まれてまもなく、知的と身体の障害があることがわかった。診断した医師は「この子は歩くことはできません。そういうつもりで育ててください」と言い放った。「この子の将来を勝手に決められたくない」と美鈴さんは怒り、「“障害児”として育てるんじゃなく、普通の子どもと同じように育てよう」と強く思ったそうだ。
 そんな美鈴さんの考えから、万智子さんは地域の保育所、小学校、中学校に通い、地域の子どもたちの中で育ってきた。学校では支援学級に在籍せず、ずっと普通学級で過ごした。たとえ「ともに学ぶ」環境が保障されていても、障害があるゆえに支援学級に分けられるのは、やはり差別と考えたからだ。これに対して、小学1年の時の担任教師は「支援学級在籍が条件で担任した」と言い、排泄がうまくできなかった万智子さんへの対応を、「どうして私がおしっこの世話をしなければいけないのか」と露骨にイヤがった。
 しかし、子どもたちの反応はちがった。いつのまにか、万智子さんがお漏らしをすると、誰に命じられなくても処理をしてくれるようになり、タイミングを見てトイレに連れて行ってくれるようになった。放課後には、みんなそろって万智子さんの家に遊びに来て、それはにぎやかな光景だったという。中学校では、教室移動の時に万智子さんがじっとしていると、クラスメイトが「はよ行くでー」と自然に誘導してくれていた。
 こうして友だちとかかわりながら、あたりまえに学校生活を送ってきた万智子さん。中学卒業後は友だちが行くように、高校に行くのは当然のことだった。初めて長尾高校を受けた時は、クラスのみんなが「入学させてほしい」と、校長あてに作文を書いてくれた。
 「うれしかったですね。仲間やなぁって…。万智子がいて、いろいろと大変なこともあったけど、クラスの一員として認めてくれていることが、すごくわかりました」

■万智子さんの涙の陰には、何千人もの生徒の涙が…

 9年間も続いている万智子さんの浪人生活は、大阪府において、知的障害のある生徒を高校に受け入れる取り組みが遅々として進んでいない状況の象徴といえる。
 初めて受験した2001年(ちょうど、大阪府教育委員会の「知的障害のある生徒の高校受け入れに係る調査研究」が始まった年)は、障害のある生徒が受験するにあたっての情報が全くなく、大変な苦労をした。2年目の2002年は、長尾高校の募集人員と受験生数が同数の「定員内」だったが、点数がとれていないという理由で不合格になった。当時、「定員内不合格は出さない」という了解が定着しつつあったのにもかかわらず。
 「この時、他の高校では合格した例があるんです。その学校の校長の姿勢次第で通る・通らないが決まるのは、差別だと思う。基準をきっちり設けてほしいのです」と、美鈴さんは訴える。しかし、教育委員会から納得のいく反応は返ってきていない。
 現在もなお、障害のある生徒も一般受験ができること、さまざまな受検上の配慮が受けられることなどの情報は、保護者にも教師にもあまり伝わっていない。運動団体とつながって粘り強く交渉しなければ、試験を受けるという入り口にさえ、なかなかたどりつけないというのが現状だ。2006年度から府立高校に「知的障がい生徒自立支援コース」がつくられたが、設置校も募集人員もごくわずかなままで、選抜基準もあいまい。かえって障害のある生徒たちを選別し、排除するシステムになってしまっている。
 過去の受験で、万智子さんは答案用紙を前に泣き続けていたという。その涙の陰には、あたりまえに高校に行きたいという希望を打ち砕かれた何千人もの生徒の涙がある。

■“お荷物”じゃなくて、周囲の人生に影響を与えている

 万智子さんは現在24歳。かつての同級生は就職したり、結婚したり、子どもを産んだり、それぞれの人生を歩んでいる。直接かかわることは少なくなったが、今も街で出会うと、「おー、マチコ、元気か」「まっちゃん、どうしてんの」と声をかけられる。
 今年の年賀状には「10回目の受験、がんばります」と書いて、同級生全員に送った。「まだ、がんばってるんや!」と返事が来た。「万智子ががんばっている姿を見て、みんなもがんばってほしい」と美鈴さんは願う。同級生の中には、万智子さんと出会ったのをきっかけに、もともと考えていた進路を変更して、福祉の仕事に就いた人もいる。
 「万智子は“お荷物”じゃなくて、周りの子たちの人生に影響を与えている。それが万智子の良さじゃないでしょうか。地域で生きてきた証だと思うんです」
 こんなすてきな関係が小中学校だけで終わるなんて、もったいない話だ。高校にも、その先の社会にも広がっていくといい。市民団体の「高校問題を考える大阪連絡会」では、今年こそ万智子さんの進学を実現しようと、支援活動に取り組んでいる。これを読んで共感した方は、ぜひ連絡会に来て、万智子さんと美鈴さんの思いを聞いてほしい。そして、身の回りにいる人たちに万智子さんのことを伝えて、応援の輪を広げていただきたい。

2010年2月10日 (水)

豊中「インクルーシブ教育を考えるシンポジウム」レポート-3

P1050890

第1部では、弁護士の大谷恭子さん(=写真)が、≪国連『障害者権利条約』がめざすもの~「ともに生き、ともに学ぶ」教育のこれから~≫と題して講演。

大谷さんは、内閣府の障がい者制度改革推進本部の下部組織、「障がい者制度改革推進会議」のメンバーのひとりです。

その立場から、推進会議の現在の動きについて、初めに説明されました。

それによると、推進会議は、障害者権利条約を批准するにあたって、国内法を整備する(権利条約と国内の法的な状況を一致させる)ための作業を行っているということです。

月2回のペースで会議が行われ、すでに第1回(1月12日)、第2回(2月2日)が開催ずみ。今後、2月15日(月)に第3回、3月1日(月)に第4回が行われます。

8月末までに基本的な政策をまとめる予定になっており、現在、「障害者基本法」「(障害者自立支援法に代わる)障害者総合福祉法」「差別禁止法・虐待禁止法」の3つの法律について議論が進められているそうです。

上記の法律のうち、インクルーシブ教育に関わるのは障害者基本法と差別禁止法。大谷さんは、第2回(2月2日)の障害者基本法についての議論の中で、教育分野において、下記の5点を規定するよう意見を提出されました。

①障がいのある人は障がいを理由に差別を受けることなく教育を受ける権利を有している。

②障がいのある子どもは自己の住む地域社会で障がいのない子どもと分け隔てられることなく教育を受ける権利を有し、地域の小中学校に学籍を有し、就学することを保障され、これは高校以降の教育についても準用される。

③障がいのある人(子ども)は個人の必要に応じ合理的配慮と支援が保障される。

④障がいのある人(子ども)は、特別支援教育を希望するときにはそれが保障され、障がいのある人(子ども)もしくは保護者の承諾なくして強制されることはない。

盲、盲ろう、ろうの子どもの教育は、個人にとって最も適切な言語並びにコミュニケーション手段によってなされることを保障する。

さらに、今後の差別禁止法の議論にあたっては、障害者権利条約に照らして、教育条項でどんなことが差別に当たるのかを具体的に提起していくつもりとのことです。

大谷さんは、「次から次に、きちんと提言していくことが私の役割だと思っている。それは現場のみなさんの実践があったうえでの提案。私が推進会議で提案・提言し続けることの援護射撃をしていただきたい」と会場の参加者に呼びかけました。

※筆者注:障がい者制度改革推進会議の動きについて詳しくは、内閣府政策統括官(共生社会政策担当)の下記ホームページをご覧ください。http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/kaikaku.html#kaigi

2010年2月 9日 (火)

豊中「インクルーシブ教育を考えるシンポジウム」レポート-2

P1050873

シンポジウムでは、まず、主催者の豊中市教職員組合の執行委員長、青柳隆さんがあいさつ。

青柳さんは「2007年からスタートした特別支援教育は、特殊教育から『ともに生きる』教育に変えていくという雰囲気の中で出された。しかし、3年が経過した今、制度的にはほとんど変わっていない。むしろ『別学』の体制がどんどん進んでいるのではないか」と言い、「ともに子どもたちが過ごすことの意味について今、考えていく必要がある」と、問題意識を訴え。

そして、大阪では橋下知事の下、「競争の教育」が進められていることにふれ、「競争の教育に負けない、インクルーシブな教育を推進していかなければならない」「自分から分けられたいと思っている子はいない。友だちから切り離されて学びたいと思っている子はいない。みんないっしょにやりたいと思っている子どもの思いに立って、教育条件を考えていかなければならない」と、学校現場からの思いを述べました。

続いて、来賓の渡辺浩さん(豊中市教育委員会 学校教育室長)、星屋好武さん(豊中市手をつなぐ親の会 会長)、中村知さん(豊中市身体不自由児者父母の会 会長)があいさつ。

来賓の最後にあいさつに立ったのは、衆議院議員の中野寛成さん(民主党)=写真。2月中に「インクルーシブ教育を推進する議員連盟」が設置される運びになっており、中野さんはその会長に就任されるのだそうです。

中野さんによると、議連は衆院43名、参院17名、計60名の参加で設置を準備中。「今のところ民主党だけだが、趣旨に賛同してくれる議員には、党を問わず参加してもらおうと思っている」とのこと。

中野さんは、自らが「色覚異常者」として差別を受けてきた体験を通して、「差別をなくしていくというだけでなく、もっと積極的に、障害もひとつの個性として、ともに貢献しあい、尊敬しあい、ともに生きる社会を率先して作っていきたい」と、思いを語りました。

2010年2月 7日 (日)

豊中「インクルーシブ教育を考えるシンポジウム」レポート-1

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2月6日(土)、第8回インクルーシブ教育を考えるシンポジウム(主催:豊中市教職員組合・毎日新聞社)が豊中市立大池小学校体育館で催されました。

第一部の基調講演は、国の障がい者制度改革推進会議の構成員、大谷恭子さん(弁護士)による「国連『障害者権利条約』がめざすもの」。

現在、文部科学省が進めている「特別支援教育」の問題点や、障がい者制度改革推進会議での議論の今後の展望などを語られました。

第二部のパネルディスカッションでは、障害のある娘さんが府立高校に在学中の保護者、豊中市の小中学校の普通学級で障害のある子どもを担任している若き教師2人、大谷さんが、「ともに学び、ともに生きる」ことの意義をめぐって議論を交わしました。

また来賓の一人として、2月5日に準備会が行われたばかりの「インクルーシブ教育を推進する議員連盟」の会長、中野寛成衆議院議員も登壇し、参加者にメッセージを送られました。

このシンポジウムについて、これから何回かに分けてレポートしていきますので、みなさん、時々のぞいてください。

2010年2月 4日 (木)

インクルーシブ教育を考えるシンポジウム

豊中市教職員組合と毎日新聞社が共催する、毎年恒例の「インクルーシブ教育を考えるシンポジウム」が近づいてきました。チラシを載せておきます(画像をクリックしていただくと、拡大します)。

(チラシの案内文より)

 豊中では「障害」のある子も、ない子も地域の学校で同じクラスでともに生活し、ともに学ぶことを大切にした教育を40年近くにわたってすすめてきました。2006年、国連は「障害者権利条約」を採択し、「障害のある子どもは自分の住む地域社会で、地域社会の一員として小・中・高校に入学できること」を原則としました。

 こうした中、8回目となる今回のシンポジウムでは、2007年に実施となった「特別支援教育」を切り口にインクルーシブな教育をどう深めていくのか、みなさんと考えていきます。

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2010年2月 1日 (月)

障害児・者の高校進学を実現しよう!!西宮集会

1月23日(土)に行われた「障害児・者の高校進学を実現しよう!!西宮集会」 (西宮市勤労会館)の報告を、参加した方からいただきましたので、下記に転載します。

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23日土曜日に西宮での集会に参加しました。

来年3月に伊丹と宝塚と川西にある3校の定時制高校を廃止して尼崎の最寄り駅から遠い県立高校跡地に多部制単位制高校に統合する計画を進めていて、更に、同じ敷地に特別支援学校高等部を建てて交流教育を進めるもくろみがあるようです。

定時制の希望者が増えているにもかかわらず、定時制高校を退学する生徒が多いから定時制の役割は終わったという見解が教育委員会にある。このことは大変危険な傾向なので、皆様と共に考えていきましょう。

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