話題の本

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2010年1月

2010年1月31日 (日)

枚方の「共に学び共に育つ教育」は今 連載第3回

枚方(ひらかた)市は、大阪府の中でも「ともに学び、ともに生きる教育」で先駆的な取り組みをしてきたまちのひとつです。

その教育の豊かな価値を見つめ直そうと、これまでに関わってきた教師や保護者の方にインタビューし、市民発情報紙『LIP』で連載させていただいています。

最新号の2010年2月号が下記から読めます。どうぞお読みください。

http://love-dugong.net/lip/201002/

<内容>

■[「ホームレス」と出会う子どもたち]
  北村年子さんのお話を聞いて♪
■[仕事選び、生き方探しの講座を開催]
  ほんとに叶えたい夢は、あきらめないことが一番♪
■[作らずにはいられない(4)] 中綴じ製本機♪
■[枚方の「共に学び共に育つ」教育は今 (3)]
  「障害のある子の存在が、教育そのものを問い直す♪」
■[連載コラム] かおりのひとりごと♪ 「走るのは」
■イベント/サークル/ボランティア情報
■ 編集局より/LIP配布場所/会計報告

2010年1月22日 (金)

保護者(親)=“健常者”と思いこんでいませんか

「ともに学び、ともに生きる教育」を語る時、私たちは障害のある子どものことは考えても、障害のある保護者(親)のことはつい忘れがちではないでしょうか。

保護者(親)=“健常者”という思いこみがないでしょうか?

そのことを別ブログに書きましたので、お読みください。→こちらです

2010年1月14日 (木)

本のリストを追加しました

障害があるというだけで、学校から拒否される子どもや親御さんの怒りの声に心を動かされ、私が「ともに学び、ともに生きる教育」の取材を始めたのが、2年前のこと。

運動団体の集まりに行って困ったのは、そこで話されている内容が全くわからないことでした。何といっても、“業界用語”が多い。「分ける」「分けない」「原学級」「取り出し」「入り込み」「原担」「養担」「原則分離」「発達保障」「適格者主義」「特別支援教育」「インクルーシブ」…などなど。

それまで、ボランティアや介助の仕事で障害のある人たちとかかわってきて、障害者団体が主催する催しにも何度となく参加してきた私は、一般の人よりは知識があるはずなのに、それでも、教育の世界はちんぷんかんぷん。

学校の先生にお話をうかがうことも多いのですが、教師用語というのがあって、たとえば、「ショッカイ」や「ショクチョウ」。障害のある子どもの話だから、「ショッカイ」とは「食事介助」のことかと思ったら、職員会議の略のようです。「ショクチョウ」が職員朝礼の略だということは、聞き返して教えていただくまでわかりませんでした。

とにかく、わからないことだらけなので、本を探して必死に勉強しました。ところが、絶版になっているものも多く、なかなか見つからない。ネット検索したり、図書館や書店で探し回って、私が入手した本のリストを左側のバーに追加しました。よかったら、みなさんの参考になれば…。

2月6日(土)、豊中市で「インクルーシブ教育を考えるシンポジウム」がありますが、そこで講演される大谷恭子さんの『障害者権利条約─わかりやすい全訳でフル活用!』もありますし、パネラーの向井裕子さんが原稿を寄せられている『障害をもつ子を産むということ』『障害をもつ子が育つということ』もあります。

また、全国でも有名な豊中市の「ともに学び、ともに生きる教育」の実践について知りたい方は、入門編として『普通学級での障害児教育』『共生・共育を求めて』がおすすめです。

2010年1月12日 (火)

定時制高校廃校に反対する集会

怒りネット関西(怒っているぞ! 障害者きりすて! ネットワーク関西)さんから、集会の案内をいただきましたので、転載して情報提供します。

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1月23日土曜日午後二時より、「障害児・者の高校進学を実現しよう!!西宮集会」が開かれます。怒りネット関西の代表である住田雅清さんは定時制高校の存続を求め、自身が高校へ入学されます。「障害を持つ人も地域で暮らそう」という運動は大分浸透し、政府方針に反映されるまでになっています。ところが障害児の普通高校入学は進まず、逆に全国的に特別支援学校・養護校に入学する障害児が増えています。自己選択ならなんらかまわないことですが、実態的には、この20年余り障害児を受け入れてきた定時制高校が次々に廃校になっている現実があります。10年前阪神間で4校が廃校になっています。さらに今まさに阪神間で3校が新規募集を停止しています。県教委は3校を廃校にしようとしています。定時制高校の存続を求め、住田さんは52歳で定時制高校の宝塚良元校を受験されます。

この集会は共生共育を考え、なぜ住田さんは高校を求めているのかを共に考えるために設定されました。

西宮勤労会館で1月23日土曜日午後二時からです。西宮と少し遠い方もいると思いますが、怒りネット関西呼びかけの実行委員会で昨年集会をした会場です。ぜひ遠方へ足を向けてください。またこのメールの届く範囲は限られています。ぜひ多くの方に転送してください。よろしくお願いします。

高見元博
http://homepage3.nifty.com/kyouseisha/
http://ikari-net.cocolog-nifty.com/blog/

2010年1月10日 (日)

「分教室」は“ともに学び、ともに育つ”なのか

1月2日・4日に書いた朝日新聞 『公立高に「分教室」倍増』 記事に疑問-1-2に関連して、大阪府のたまがわ高等支援学校の分教室、「共生推進教室」について、私が過去に書いた文章を載せておきます。

豊中市の「障害」児・者の生活と進路を考える会の『考える会通信』に掲載していただいたものです(2009年12月号)。

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「共生推進教室」は、はたして“ともに学び、ともに育つ教育”なのか?

 「共生推進教室」って、ご存じだろうか?

 知的障害のある生徒が一般高校で学ぶための取り組みで、大阪府教育委員会は、「知的障がい生徒自立支援コース」と同じく、これを“高等学校におけるともに学び、ともに育つ教育”としてアピールしている。

 ただ、「自立支援コース」とちがうのは、「共生推進教室」は、府立たまがわ高等支援学校の分校が一般高校のなかに置かれている形。生徒たちは、一般高校の生徒とともに学んでいるけれども、そこの正式な生徒ではなく、籍はあくまで支援学校(養護学校)にあるのだという。

 うん? どういうこと? 企業でいえば、出向社員みたいなものか? ややこしくてよくわからない。第39回大阪府人権教育研究中河内大会の分科会(10月24日)で実践報告が行われたので、聴きに行った。

 そこで理解できたのは、これは“ともに学び、ともに育つ教育”というよりは、「障害者のため」の職業訓練プロジェクトだということだ。

■府立高校のなかでの支援学級的な役割

 報告者の先生によれば、共生推進教室は、「府立高校のなかでの支援学級的な役割」。籍はそこに置くが、基本的にはホームルーム教室(小中学校での「原学級」)で、障害のない生徒たちとともに学ぶ。「長く集中が続かず、クラス授業が難しかった生徒が、級友に励まされ、助けられて楽しく授業を受けることができるようになった」という事例も紹介され、生徒どうしのいい関わりをつくろうと努力している姿勢が伝わってきた。

 ただ、「就労を通じた、地域での社会的自立」をめざすたまがわ高等支援学校の生徒なので、週1回、たまがわで職業に関する専門教科を学び、たまがわが主催する職場実習にも参加する。こうした別扱いがいいのかどうかは議論が分かれるところだが、「ともに学ぶ」環境と、将来に向けた就職準備とのエエトコどりともいえるかもしれない。

 報告の中心は、部活動の話題だった。部活動への参加を大いに奨励していて、共生推進教室の生徒の半数がクラブ(軟式野球、陸上競技)に所属し、障害のない生徒といっしょに大会にも出場しているという。この点は、クラブ入部を拒否される話をよく聞く「自立支援コース」とはエライちがいで、なかなか、がんばってるなぁという印象だ。

 でも、話を聴いていて、僕はひとつ、違和感を抱かざるを得なかった。

■なぜ、障害のある側だけがトレーニング?

 それは、報告者の先生が何度も言われた「人間関係トレーニング」ということばだ。就労して社会的自立を果たすには、知的障害のある生徒は、人間関係が難しいという点がネックになる。そこで、人間関係づくりのトレーニングに力を入れているのだという。

 そして、障害のない生徒とともに授業を受けるのも、部活動をするのも、遊ぶのも、人間関係トレーニングを積むことに主眼があるのだと。つまり、共生推進教室における“ともに学び、ともに育つ”とは、職業訓練のための手段なわけだ。

 ここで思い出すのが、知的障害のある人のスポーツ大会で見た、当事者の女性のこと。その女性はイケメンのコーチのことが好きでたまらなくて、その気持ちは周囲にバレバレだった。コーチは彼女の思いを十分にわかったうえで、それをうまく利用して意欲を引き出していた。コーチが一生懸命なのはわかったが、僕は何だか悲しかった。

 障害があると、友だちとの関係も恋ごころも、すべてトレーニングの手段にされてしまう。自立するためには甘いことを言っていてはいけないのかもしれないが、人生の何もかもがトレーニングに費やされる人生は、やはり幸福とは思えない。

 そもそも、なぜ、障害のある側だけが、つねにトレーニングをし続けなければいけないのだろうか。“ともに学び、ともに育つ”とは、双方が汗を流すことのはずだ。トレーニングが本当に必要なのは、実は「健常者」の側なのではないだろうか。

■高校生活をあたりまえに楽しんでほしい

 話は変わるが、先日、“重度”の知的障害のある男子生徒が一般受験で入学した府立高校を見学した。その高校は家庭環境に重たい課題を抱えた生徒が多いようで、生徒たちはほどよくヤンチャで、ほどよくダラダラしていた。その場で彼は、ごく自然にクラスのなかにとけこんでいた。ただ、少ししんどい課題を抱えたひとりの生徒として。

 そんな光景を見ると、僕は素直に「いいなぁ」と思うのだ。障害があっても、トレーニングの目的ではなく、高校生活をあたりまえに楽しむ可能性がもっと広がってほしい。そのためには、今、通っている人には申し訳ないけれども、やはり、「共生推進」とか「自立支援」とかいう、いかがわしいワクをいつかは壊したい。

2010年1月 5日 (火)

バクバクの会 “いのちを考える”講演会

人工呼吸器をつけて生活し、医療的ケアを必要とする子どもたちが、地域の学校であたりまえに学ぶ道を切り拓いてきた、バクバクの会(人工呼吸器をつけた子の親の会)。

今年で発足20周年を迎え、初期の呼吸器ユーザーの子どもたちは20歳代前半の大人となり、いま当事者スタッフとして会の中心を担っています。

昨年は、平本歩さん、折田涼さん、佐藤有未恵さんの3人の呼吸器ユーザーが全国3カ所(東京、仙台、福岡)に出かけて自らの生活を語る講演会と医療的ケア講習会を実施。

そこで話された、彼らが地域の小中学校、高校に通い、友だちとすてきな関係をつくってきた体験は、各地で大きな反響を呼びました。

そのバクバクの会が、20周年記念集会のプレイベントとして催す講演会。これを読んでいるあなたも、ぜひつながってみてください。

(以下、転載)

〓〓〓バクバクの会20周年記念集会 プレイベント〓〓〓
 “いのちを考える” 講演会 part1 ごあんない
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 人工呼吸器をつけた子の親の会・バクバクの会は今年で発足20年を迎え、今年7月31日~8月1日に東京で20周年記念集会を開催します。
 バクバクの会は、この20年間、人工呼吸器をつけていても、どんな障害があっても、「子どもたちの命と思いを大切に」という理念のもと、精一杯生き抜く子どもたちに学びながら活動してきました。

 しかし、2003年3月の射水市民病院での呼吸器外し事件以来、難病や重度障害児者の治療の差し控えや打ち切りについて堂々と語られるようになり、尊厳死の法制化への動きも活発化し、生きることそのものが否定されかねない状況になってきました。そして、2009年7月には、臓器移植法が改定され、「脳死」を「人の死」として「本人の拒否がなければ家族の同意で0歳から臓器摘出できる」ことになり、ますます命の選別や命の切り捨てが進んでいくことが懸念されています。

 このような厳しい社会情勢の中で行うバクバクの会20周年の東京集会では、「いのち」をテーマに考えていきます。これに先立ち各地でも、記念集会に向けて「いのち」を考えるプレイベントを開くことになりました。バクバクっ子たちの命や思いが尊重され、どんな「いのち」も大切にされるようなる社会を創るためにはどうしたらいいのか、ぜひみなさまも、わたしたちと一緒に考えていただければと思います。たくさんのみなさまのご参加をお待ちしております。

◆講師:八木晃介さん(花園大学教授・社会学・差別問題論)
  タイトル:「持つこと」と「あること」

◆日時:2010年1月9日(土) 14:00~16:00(受付13:30~)

◆場所:箕面市障害者福祉センターささゆり園
 箕面市西小路3-9-9 (?072-724-2940)
http://www.city.minoh.osaka.jp/SISETUANNAI/S01/sasayuri.htm

◆参加費:資料代200円

〓〓〓バクバクの会20周年記念集会 プレイベント〓〓〓
 【予告】 “いのちを考える” 講演会 part2 
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◆講師:中村暁美さん(「長期脳死―娘、有里と生きた1年9ヶ月」著者)
・書籍紹介
http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-023857-1
◆日時:2010年3月7日(日)13:30~15:30
◆場所:国立オリンピック記念青少年総合研修センター

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◆お問い合わせ
人工呼吸器をつけた子の親の会
     <バクバクの会>事務局
 http://www.bakubaku.org/
〒562-0013
大阪府箕面市坊島4丁目5番20号
箕面マーケットパーク ヴィソラWEST1 2F
箕面市立みのお市民活動センター内
bakuinfo@bakubaku.org
TEL/FAX 072-724-2007
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2010年1月 4日 (月)

朝日新聞 『公立高に「分教室」倍増』 記事に疑問-2

これは疑問というよりも、誤りとして指摘しておきたいと思います。

朝日新聞の記事の趣旨は、障害のある子とない子の交流を進めるため、特別支援学校(養護学校)の分教室、分校を一般の公立高校内に設置する動きが広がっている、というものです。

それを受けて、大阪本社版の社会面では、島根県と並んで、大阪府の取り組みが下記のように伝えられています。

 高校で障害のある子とない子がともに学ぶ取り組みは、大阪が草分けだ。府教委は分教室の導入に先駆け、01年、府立高校4校に知的障害者向けの特別入学枠を全国で始めて設けた。学力試験を課さず、面接などで選抜する。

 06年に「知的障がい生徒自立支援コース」として制度化し、コース開設校は09年度までに計11校に増えた。

そして、実例として、府立柴島高校の「知的障がい生徒自立支援コース」(以下、「自立支援コース」と略します)で学ぶ生徒のことがとりあげられています。

こんなふうに書かれたら、読者はどう受け取るでしょう。特別支援学校の分教室、分校を設置する動きの一環として、「自立支援コース」があるのだと理解するのではないでしょうか。

しかし、それは大きな誤りです。

特別支援学校の分教室、分校の生徒は、あくまでも籍を置いているのは特別支援学校であり、一般高校には“お客さん”として来ているに過ぎません。(言ってみれば、派遣社員です。)

これに対して、「自立支援コース」の生徒は、コースとしては特別枠ですが、その高校のれっきとした正式な生徒です。(言ってみれば、正社員です。)

「自立支援コース」は、「分教室の導入に先駆け」て設けられたものではなく、両者はそもそも、存在基盤が全くちがう制度なのです。そして、ともに学ぶ「ノーマライゼーション」として、どちらが自然な形かというと、答えは明らかだと思います。

記者の方は、このことを理解されていないのか、それとも、わかったうえであえて誤解されるような書き方をされているのか、どちらなのでしょう。

2010年1月 2日 (土)

朝日新聞 『公立高に「分教室」倍増』 記事に疑問-1

特別支援学校(かつての“養護学校”)の高等部の分教室や分校などを、一般の公立高校のなかに設置する動きが広がっている─。

という趣旨の記事が、朝日新聞(2009年12月31日付、大阪本社版)の1面と社会面に掲載されました。

1面の記事のみ、こちらで見られます。

それによると、全国47都道府県で、公立高校内に特別支援学校の分教室、分校を設置している例は、

現在(09年度):10府県28校 → 2012年度までに:18府県55校 

に増える見通しだということです。

ちなみに、私が住んでいる大阪府では、たまがわ高等支援学校の分教室「共生推進教室」が枚岡樟風高等学校内に設置。2010年度からは、府内の他3校にも設置される予定です。 

こうした動きが出ている背景として、記者は以下のように説明。

知的障害のある子は地元の小中学校の特別支援学級に通っていても、高校入試の壁に阻まれ、遠方の特別支援学校高等部に進学したり、作業所に通所するようになったりして、地域の友達から離れるケースが多かった。

そして、≪障害のある子とない子がともに学ぶ「ノーマライゼーション」に近づこうとする狙いだ。≫  と書いています。

ここで疑問を感じたのは、特別支援学校の分教室、分校という形ではなく、一般の公立高校に通っている障害のある生徒の例に全くふれていないことです。

私が住んでいる大阪府でも、全国にも、“重度”といわれる知的障害のある生徒が、入試の高い壁にかかわらず、公立高校に入学し、ほかの生徒とともにあたりまえに高校生活を送っている例がいくつもあります。

≪障害のある子とない子がともに学ぶ「ノーマライゼーション」≫というなら、それこそが真の意味でのノーマライゼーションであり、「ともに学ぶ」姿としてごく自然な風景ではないでしょうか。

記者の方には、ぜひ、そのことも伝えていただきたかったと思います。

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