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2010年7月18日 (日)

「できる」「できない」の価値観がひっくり返る─赤阪はなさんの映画『はながゆく。』

*事実誤認の部分がありましたので、文章を一部修正しました(7月20日)。 

 重度の障害がある人は、“何もできない”? “一方的に支援を受ける存在”? そんな世間の思いこみを吹き飛ばし、あたりまえに働きたいと就職活動に駆け回っているのが、現在22歳の赤阪はなさんだ。

 その赤阪さんの生活を追ったドキュメンタリー映画、『はながゆく。』が完成した。

 この映画を観ると、これまで僕たちが当然のように信じてきた「できる」「できない」の価値観が、ガラリとひっくり返される。

 赤阪さんは、脳性マヒの障害で全身が動かないし、ことばを話さない。パソコンなどの機器を使って意思を伝えることもしない。ところが彼女は、母校の大阪府立桃谷高校や京都外国語大学に招かれて講師をつとめている。しかも、名講師として評価が高いのだ。

 「え、動けなくて、しゃべれないのに、どうして講師ができるの?」と不思議に思う人も多いかもしれない。

 その疑問に対して、赤阪さんを講師として迎えた桃谷高校の先生は、映画のなかでこう語る。

 「はなさんが何をできるかじゃなくて、はなさんの存在によって、他の生徒が何を得るかに注目した。はなさんがいることで、他の生徒たちが変わっていく。これは、たいへんな『教える』という作業をしていることだと思う」(※私の記憶で書いたので、ことばどおりではありません。だいたいの趣旨です。)

 京都外国語大学の「多文化理解とコミュニケーション」の講義で、赤阪さんと学生が対話する場面を授業のキーポイントにしている教授は、こう言う。

 「自分と異なる人とのコミュニケーションを経験することで、学生にコミュニケーションの深い可能性を発見してもらうのがねらい」 (※やはり、ことばどおりではなく、だいたいの趣旨です。)

 ベテランの教師でも、生徒の意識を変えるのは、なかなかできることではない。それを赤阪さんは、動くことが「できない」、ことばを話すことが「できない」ゆえに、出会う人に自分を見つめ直させ、変化させることが「できる」のだ。発想を変えてみれば、こんなに強力な講師はいない。

 日常の動作のすべてに介助が必要な彼女は、施設でもグループホームでもなく、かといって“自立生活”という名のひとり暮らしでもなく、「かかし荘」という下宿の世話人として、若者たちが共同生活する場をつくっている。

 「かかし荘」には、さまざまな思いをもった若者たちが続々と集う。そして、赤阪さんや住人たちと過ごしているうちに、自分を肯定できるようになり、元気になっていくのだという。どちらが一方的に支援しているのでもない、不思議な支えあいの関係がここに生まれている。

 人間は関係性のなかで生きる存在であり、つながり、支えあうことで、どんな人も豊かに生きていけるのではないか─。そんな可能性を実感させてくれる映画だ。未見の方は、ぜひご覧いただきたいと思う。

 現在、映画のDVDを販売している(個人価格:5000円、法人価格:20000円)ほか、上映会の企画を広く呼びかけている。関心のある方は、赤阪はなさんまでお問い合わせを。
 メールアドレス:akahana0218@yahoo.co.jp 
 ※メール送信の際は、アドレス中の@を半角に変えてください。

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6月13日に催された映画試写会には、
赤阪さんとゆかりのある150名の人が集まった

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大東市で行われた集まりで、
映画のDVDをアピールする赤阪さん(中央)

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