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2009年2月20日 (金)

橋下知事への公開質問状の回答が出ました!

1月20日に橋下知事あてに提出した『障がいのある子も、ない子も「共に学び、共に生きる教育」をもっと充実発展させるための公開質問状』に回答が出ました(2月20日付)。

取り急ぎ、私のコメントは抜きで、全文をそのまま紹介します。

こちらからの質問項目は青色、府の回答は黒色で表示しています。

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「共に学び、共に生きる教育」日本一の大阪に!ネットワーク
  代表  鈴木 留美子 様

大阪府教育委員会事務局
教育政策室総務企画課長

『障がいのある子も、ない子も「共に学び、共に生きる教育」をもっと充実発展させるための公開質問状』に対する文書回答について(送付)

平成21年1月20日付けで質問のありました標記については、別紙のとおりです。

問い合わせ先
大阪府教育委員会事務局
教育政策室総務企画課
広報・議事グループ 山井
電話06(6941)0351 内線3412
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(要望項目)

1 障害児・者を一般の学校教育や生活の場から切り離して、「分ける」ことをどのようにお考えでしょうか?

・障害者の「完全参加と平等」を唱えた国際障害者年から30年近くたつ現在も、特に「重度」といわれる障害児・者は、生活の場を施設や福祉的就労に限られがちで、社会参加の道を固く閉ざされています。その根底にあるのが、そもそも学校教育の場で、いまだに多くの障害児が、一般の子どもたちから切り離された「支援学校」(養護学校)、「支援学級」(養護学級)で学んでいることです。今後、どんなに重い障害があっても、地域で自立して生きられる社会を実現するには、まず障害児・者を「分ける」発想を変えなければならないと私たちは考えますが、知事の考えをお聞かせください。

2 障害児が地域の学校へ就学することをどのようにお考えでしょうか?

・大阪の教育現場では、重い障害のある子どもも校区の学校で受け入れ、障害のない子どもたちとともに学ぶ環境づくりが積極的に進められてきました。障害児が「支援学校」に就学すると、校区の学校に就学する場合の10倍の費用がかかることをご存知でしょうか。

・「支援学校」を地域のリソースセンターなどに縮小し、すべての子どもを地域の小・中・高等学校で受け入れるほうがより公平であり、対費用効果も優れていると思われませんでしょうか。また、政府が批准に向けて動いている、2006年12月に国連で採択された「障害者権利条約」が言うインクルーシヴ教育(誰も障害を理由として排除されない教育)の趣旨に適うものだと思われませんでしょうか。

・地域の小・中・高校で障害児が学びやすい環境を整えるよりも「支援学校」をより充実発展させる方がよいとお考えなら、その根拠をお示しください。

6 大阪の「共に学び、共に生きる教育」は現状で十分な領域に達しているとお考えでしょうか?

・多くの障害児が地域の学校であたりまえに学んでいることでは、大阪は“日本一”であるといわれています。そのことについて、これまで府と府教委が取り組まれてきた努力に対して、私たちは感謝しております。しかし、まだまだ課題はたくさんあると思います。今後、障害のある子もない子も、すべての子どもたちにとっての「共に学び、共に生きる教育」を充実発展させていくために、不十分な点や課題はどんなことだと思われますか? あわせて今後の方向性も明示ください。 

(回答)

○障がいがあるということを人間の多様な姿の一つとして捉え、それぞれの個性や価値観、生き方等の違いを認め合うという多様性を尊重する社会をめざしていかなければならないと考えます。

○障がいのある人が、一人の人間として尊重されるという当たり前のことを、社会の普通の姿として根付かせていくため、日常的な活動や社会参加等の取組みを障がいのない人と同等の水準に近づける不断の努力が求められています。

○大阪府においては、これまでから、すべての幼児児童生徒が「ともに学び、ともに育つ」教育を基本として、一人ひとりの障がいの状況に応じた教育を推進してきました。子どもたちには様々な個性があり、それぞれに目標や希望、課題等をもち、学校生活の中で障がいのあるなしにかかわらず、ともに活動することを通して成長することが重要であるとの認識のもと、地域での支援教育の充実を図るための取組みを進めてきたところです。

○大阪府では、障がいのある幼児児童生徒が、地域の小・中学校等へ就学することは、障がいのある幼児児童生徒と障がいのない幼児児童生徒との相互理解を推進するとともに、障がいのある幼児児童生徒の社会参加と自立に向けた主体的な取組みを支援する上でも、非常に重要であると考えています。

 障がいのある幼児児童生徒の就学については、府内小・中学校の98.3%に支援学級が設置されているなど、できるかぎり地域の学校で受け入れていくことを基本にすえています。

 また、支援学級に在籍していても、通常の学級で一緒に授業を受けるなど、可能な限り交流及び共同学習の機会をつくるよう努めているところです。

○府立高等学校では、障がいのある生徒の入学に対応できるよう、施設・設備面における整備や備品等についてもできる限り措置してまいりました。また、人的措置につきましても、それぞれの障がいの状況に応じ、非常勤講師の措置や、生活面における支援として、学校支援人材バンクを活用して、介助ボランティアや学習支援サポーターの措置に努めてまいりました。 

 また、知的障がいのある生徒の学習機会の充実を図るため、平成18年度から自立支援推進校及び共生推進校を制度化するなど、高等学校における「ともに学び、ともに育つ」教育の推進に取り組んでいるところです。

○支援学校については、知的障がいのある児童生徒数の増加や就労支援など多様化する教育的ニーズ等へのきめ細やかな対応をふまえた計画的な整備が必要であると考えています。

 また、改正学校教育法や新学習指導要領において、支援学校のセンター的機能が求められているところであり、地域の小・中学校、高等学校等への支援に大きな役割を果たしていかなければなりません。

○なお、教育予算については、その90%以上を人件費が占めており、法令に基づき設置される学級数に応じて教職員が配置されることから、児童生徒一人あたりに要する経費は、小・中学校及び高等学校に比べ支援学校の方が多額になっています。

○今後とも、大阪がこれまで培い推進してきた「ともに学び、ともに育つ」教育のより一層の充実に向け、各学校・市町村教育委員会とも連携しながら、子どもの将来の自立、就労をはじめとした社会参加への切実な思いを受けとめた教育や、周りの子どもの理解と認識を深める教育を推進してまいります。

○さらに、国に対しても、支援教育充実のための適切な人的配置等の条件整備を引き続き強く要望するなど、一人ひとりのニーズに沿ったよりきめ細やかな対応ができるよう、教育環境及び支援体制の充実に努めてまいります。

(回答部局課名)1・6 教育委員会事務局 教育振興室 支援教育課   2 教育委員会事務局 教育振興室 支援教育課 高等学校課  市町村教育室 小中学校課

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(要望項目)

3 「学力テスト日本一」になるために障害児が排除されている実態を把握されていますか?

・全国学力テストを実施する際、障害児のみに参加の意思を聞いたり、障害児の点数を合計得点からはずしたりするなど、障害児を排除している例が、府内の学校でも見られます。各市町村が学力テストの結果を較べ、点数を競い合うことになれば、ますます障害児の排除が進むことになると思いますが、どのようにお考えでしょうか。

(回答)

○全国学力・学習状況調査は、文部科学省が策定した実施要領に基づいて実施されております。

○支援学校及び小中学校の支援学級に在籍している児童生徒の実施にあたっては、同実施要領の「3.調査の対象とする児童生徒」の(2)において、「特別支援学校及び小中学校の特別支援学級に在籍している児童生徒のうち,調査の対象となる教科について,以下に該当する児童生徒は,調査の対象としないことを原則とする。」とされており、「下学年の内容などに代替して指導を受けている児童生徒」「知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校の教科の内容の指導を受けている児童生徒」は調査の対象としないことが原則となっております。

○しかし、同調査の「実施マニュアル」においては、個々の児童生徒が実施要領の定めに該当するかどうかについては、各学校において判断することとしており、加えて、一人ひとりの障がいの種類や程度に応じて、当該児童生徒に特別の配慮ができることも示されております。

○各学校におきましては、当該児童生徒及び保護者に対して、実施要領等の内容について詳しく説明した上で、本調査の実施について適切に判断しているものと認識しております。

(回答部局課名) 教育委員会事務局 市町村教育室 小中学校課

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(要望項目)

4 能力主義、競争主義、成果主義の教育から、子どもたちが目を輝かせて取り組む学習が生まれるでしょうか?

・習熟度別クラスや、百マス計算などの一斉反復学習、学習塾の講師を入れると言われている「夜スペ大阪版」の「まなび舎」事業では、障害のある子どもたちはどこに行けばよいのでしょうか。例えば3学級を4つの習熟度別クラスに分けた場合、障害児は「最下位」のクラスに入るのでしょうか、支援学級に入るのでしょうか。これでは障害児のみを分離する特殊教育に舞い戻ってしまうのではないでしょうか。

・(障害児だけではなく)子どもたちの間にますます格差が広がり、格差が固定されるのではないでしょうか。

・能力主義や競争主義の教育からは、子どもたちが目を輝かせて取り組む楽しい授業、学びあう授業、お互いにちがいを認め合い支えあう集団づくりは生まれないと私たちは考えます。とりわけ競争や成果主義になじまない障害児は、集団自体から排除される恐れがあります。知事はどのようにお考えでしょうか。

(回答)

○習熟度別学習は、基礎基本の定着をめざし、時間をかけて丁寧に学習することや発展課題に取り組み応用力を養うなど、学習集団により学習内容を工夫することで、より学習効果を図ることをめざすものです。また、百ます計算などの反復学習は、計算や漢字を10分ほどの短い時間を設定して毎日繰り返し学習することで、基礎学力の定着を図るものであり、学習習慣の定着・学習意欲の向上をねらいとして児童・生徒の学習をサポートするためのものです。

○また、「おおさか・まなび舎」事業は、学習習慣の定着・学習意欲の向上をねらいとして放課後自習室を開設し、教員と学習支援アドバイザーとの連携のもと、児童・生徒の自学自習力と学力の向上をめざすものです。東京都杉並区の和田中学校で実施されている「夜スペ」とは違い、学校が主体となり実施しており、児童・生徒は無料で、できる子もつまずいている子も両方の学力向上をめざすものです。

○これらの事業は、それぞれ、児童・生徒一人ひとりに応じたきめ細かな教育をめざすものであり、過度な競争や学力の序列化を助長するのではありません。現在、府教育委員会としましては、学習でつまずきのある子どもや、学習習慣がついていない子どもも含め、学ぶ意欲のある子どもたちすべての学力向上を推進できるよう努めているところです。

○今後も、各学校においてノーマライゼーションの理念の下、「ともに学び、ともに育つ」教育を基本とし、学びあう授業や互いにちがいを認め合い支え合う集団づくりをめざす教育を進めることとともに、学校教育全体を通じて、障がいに対する正しい理解と認識を深めていくことが重要であると考えております。

(回答部局課名)教育委員会事務局 市町村教育室 小中学校課

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(要望項目)

5 子どもたちが地域社会で、たくましく心豊かな人間に育つためには、何が必要でしょうか?

・障害児がともに学ぶ学級では、クラスの雰囲気がやさしくなることを、私たちは過去の経験から実感しています。それは、障害の有無を越えて日常的にふれあう中で、社会には多様な人々がいることや、困ったときにはあたりまえに手を差し伸べる支えあいの関係を自然と学ぶからです。「共に学び、共に生きる教育」を進めることが、点数だけでは計れない真の学びを保障し、子どもたちの豊かな人間性を育むことになると私たちは考えていますが、知事はどうお考えでしょうか?

(回答)

○府教育委員会といたしましては、ノーマライゼーションの理念に基づき、障がいのある人と障がいのない人が「ともに生きる社会」を築くため、幼少時から共に学び、ともに育つことの意義を踏まえ、一人ひとりの障がいの状況に応じた教育の推進に努めております。

○平成18年6月に指導資料「「ともに学び、ともに育つ」障害教育の充実のために」を作成し、府内の学校園に在籍する障がいのある児童・生徒に対する教育が一層充実するよう働きかけているところです。平成20年度、すべての小・中・高等学校において障がい者理解に係る取組が行われており、また、障がいのある児童・生徒の入学や入学後の学校生活でのきめ細かな支援などを行うため、保護者との連携や学校間の連携など継続的に取り組んでおります。

○このように地域の小・中・高等学校において推進してきた「ともに学び、ともに育つ」教育は、大阪の特徴であり、成果であると考えております。今後とも、障がいのある児童・生徒の社会参加と自立をめざし、教育環境の整備を図るとともに、障がいのある児童・生徒と障がいのない児童・生徒が、共に学ぶ機会の拡充を図ってまいります。

(回答部局課名)教育委員会事務局 教育振興室 高等学校課   市町村教育室 小中学校課

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(要望項目)

7 府と府教委が出されている施策やプランには、障害児は含まれていますか?

・真の「教育改革」は、障害児はもちろん、すべての子どもにとっての改革であることが大前提であると、私たちは考えています。もし障害児は別枠とお考えなら、その根拠をお示しください。

(回答)

○大阪府及び大阪府教育委員会では、ノーマライゼーションの理念のもと、すべての幼児児童生徒が「ともに学び、ともに育つ」ことを基本に教育を推進するとともに、障がいのある幼児児童生徒一人ひとりの多様なニーズに応じたきめ細かな教育を推進し、社会参加や社会的自立を支援することを、教育の基本方針のひとつにしています。

○大阪府総合計画「大阪の再生・元気倍増プラン」及びそのもとに策定された「将来ビジョン・大阪」や、「大阪の教育力」向上プラン等においても、この基本方針に基づく施策の方向性を示しており、今後とも、これらの計画に基づき、すべての子どもたちが「ともに学び、ともに生きる」教育を充実させ、「教育・日本一大阪」の実現に取り組んでまいります。

(回答部局課名)教育委員会事務局 教育政策室 総務企画課

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